大阪ガスと神戸製鋼所は、2026年4月27日に関西エリアの製鉄所や火力発電所から排出される二酸化炭素(CO2)を対象とした、大規模CCS(CO2回収・貯留)の実現可能性に関する初期調査の結果を発表しました。両社は本調査を通じて、回収から海外での地層貯留に至る一連のバリューチェーンの全体像と、今後の実用化に向けた課題を整理しました。
今回の調査は、排出源が集中する関西圏において、脱炭素化が困難とされる産業分野の排出削減を目的としています。複数の拠点から集約したCO2を効率的に輸送し、貯留適地へ圧入するスキームの構築が検討の柱とされています。

関西エリアを起点とするCCSの全体構成
調査結果によれば、神戸製鋼所の神戸製鉄所や大阪ガスの火力発電設備などから排出されるCO2を液化し、船舶で海外の貯留場所まで輸送するモデルが示されました。このプロセスにおいて、既存の港湾インフラの活用や、CO2液化・積込設備の共有化によるコスト低減策が具体的に検討されています。
また、バリューチェーン全体の最適化を図るため、各工程における技術仕様やスケジュールの整合性を確認しました。初期段階として、年間数百万トン規模の処理を想定した設備の大型化と、それに応じた物流網の整備が不可欠であるとの見解がまとめられています。
海外貯留に向けた法規制と経済性の課題
海外へのCO2輸出・貯留を実現するためには、国際条約であるロンドン条約議定書の規定や、相手国との二国間協定の整備といった法的な壁をクリアする必要があります。本調査では、これらの規制環境の現状を整理し、実用化に向けた国際的な合意形成の重要性が指摘されました。
経済性の面では、現在の炭素税やクレジット制度の動向を踏まえ、事業継続が可能な収益モデルの構築が課題として挙げられています。今後はより詳細な設計(Feasibility Study)へと移行し、政府の支援策の活用や国内外のパートナー企業との連携をさらに深め、2030年までの社会実装を目指す構えです。
出典:https://www.osakagas.co.jp/company/press/pr2026/1801070_60967.html