バージニア州議会は、2024年4月、住宅用構造物における簡易型太陽光発電システム(プラグイン太陽光)の設置禁止を地方自治体に禁じる新たな法律(HB 395)を発表しました。これにより、同州はユタ州とメイン州に続き、全米で3番目にこのシステムの市民権を法的に認めた州となります。
生活防衛の手段として普及するプラグイン太陽光
今回の法制化の背景には、深刻化する生活インフレと電気料金の高騰があります。中東情勢の緊迫化に伴うエネルギー価格の不安定化を受け、米国でも家計への負担が急増しています。こうした状況下で、専門業者による複雑な工事や数百万単位の初期費用を必要としない「プラグイン太陽光(バルコニー・ソーラー)」は、市民が自衛策として電気代を節約するための現実的な選択肢となりました。出力1.2kW(1200ワット)以下の小規模なシステムに限定することで、日常的な家電製品の電力を賄い、家計の圧迫を軽減するとしています。
ドイツでの爆発的普及を追う米国の動向
この動きは、すでに欧州、特にドイツにおいて先行して見られた現象の「後追い」と言えます。ドイツでは、ロシアによるウクライナ侵攻後のエネルギー危機をきっかけに、数百万人規模の市民がアパートのベランダ等にプラグイン太陽光を導入しました。当初は法的なグレーゾーンにありましたが、あまりの普及スピードに当局が基準を整備し、正式に認可した経緯があります。バージニア州の今回の決定も、市民の間で先行して進んでいた自発的な導入実態を、法が追認する形で安全基準や設置権を整理したものと評価されます。
日本国内の潜在的リスクと途上国への波及
こうした「思わぬ形での太陽光普及」は、日本国内においても決して無関係ではありません。現在、日本では家庭用コンセントに直接接続するプラグイン太陽光は、電気事業法などの規制により原則として認められていません。しかし、ECサイト等で安価な海外製品が容易に入手できる現状では、法的リスクや安全上の懸念を抱えたまま、インフレ対策として隠れた普及が進んでいる可能性があり、当局による実態調査が急務です。一方で、インフラ整備が遅れている発展途上国においては、こうした簡易型システムが安価かつ迅速に電力を供給する手段として、多大な社会的効果をもたらすと期待されています。
出典:https://lis.virginia.gov/bill-details/20261/HB395/text/HB395