Search

01005601【需給調整市場】制度見直しを議論(第1回 次世代電力・ガス事業基盤構築小委員会 電力安定供給ワーキンググループ(2026年5月13日))

01005601【需給調整市場】制度見直しを議論(第1回 次世代電力・ガス事業基盤構築小委員会 電力安定供給ワーキンググループ(2026年5月13日))

数値

経済産業省・資源エネルギー庁は2026年5月13日に電力安定供給ワーキンググループ(WG)を立ち上げ第一回会合を開きました。これは、総合資源エネルギー調査会次世代電力・ガス事業基盤構築小委員会の下に設置され、座長は大橋弘・東京大学大学院教授です。

このWGに上程された資料に沿って、需給調整市場の今後について詳しく解説します。

需給調整市場で取り扱う商品と導入の経緯

需給調整市場は、一般送配電事業者が周波数を維持し、安定供給を実現するために必要となる調整力を広域的に調達するための市場です。

電力需要の変動は成分ごとに分解可能であり、発電機はそれぞれの変動成分に対応した機能を使い分けて周波数制御を実施しています。

需給調整市場ではこの制御機能等を踏まえ、応動時間や継続時間に応じて一次調整力から三次調整力2までの五つの商品を取り扱っています。

2021年度から低速域の三次調整力2の広域調達が開始され、2022年度からは三次調整力1、そして2024年度からは一次調整力、二次調整力1、二次調整力2を含む全商品区分の取引が開始されました。これにより、市場原理による競争の活性化や透明化によるコスト低減が図られています。

image

前日取引化の前後における募集量と応札量の変化

2026年度からの全商品前日取引化に向けた動向を検証するため、前日取引化の前後の期間における募集量と応札量の関係が分析されました。

具体的には、前日取引化前の28日間と前日取引化後の28日間を対象とし、複合商品および一次調整力について推移が確認されました。これにより、前日取引化の前後で募集量に対する応札量がどのように変化したか、特に前日取引化前に見られた応札未達の状況が改善しているかが検証されました。

これまで一次調整力や二次調整力1を中心に募集量に対する応札量の不足が継続しており、全国で見た場合に一次調整力では60パーセント程度、二次調整力1では40パーセント程度の不足率となっていました。

この状況を改善するため、効率的な調達の対象を拡大し、一次から三次1の全ての商品で市場による調達量を最大1シグマ相当とする方向で検討が進められています。

応札価格の分布と上限価格引き下げの影響

前日取引化の前後における応札価格および約定価格の分布も重要な検証項目となっています。

特に上限価格付近の状況を確認することで、市場における価格競争の健全性が評価されています。

2024年度に三次調整力2の調達費用が高騰した際には、募集量削減の施策を講じてコストの抑制を図った結果、発電事業者や一般送配電事業者に対して事業計画の見直しや運用変更等の影響が生じました。その後、募集量削減係数の導入により、市場調達費用は総じて低減傾向になり、余力活用費用も増加することなく調整力調達費用の総額が減少するという成果が見られました。

しかし、2026年度の前日取引化により、二つの前日市場が存在することになり、事業者が同じタイミングでどちらの商品に応札するかを決める必要が生じ、応札商品の偏りが発生する可能性も懸念されています。

調整力の効率的な調達に向けた今後の課題と方針

需給調整市場における課題に対応するため、今後の制度見直しに向けた議論が継続されています。

特に、前日取引化に伴う応札商品の偏り問題に対しては、先行市場で落札されなかったリソースを後続市場でも活用するようなシステム構築が検討されていますが、システム改修の要件定義に時間を要するため、暫定対策の検討も必要とされています。

また、事業者が投資を回収するための予見性を高めつつ、国民負担を抑制する観点から、上限価格の設定方法や限界費用の算定方法についても見直しが進められています。蓄電池の限界費用については、スポット市場等から調達した費用や自社電源で充電した充電費用など、適正な価格での登録を促すための蓄電原資の考え方が整理されています。

これらの取り組みを通じて、必要な調整力を効率的かつ安定的に確保し、再生可能エネルギーの主力電源化を支える柔軟な電力システムの構築が目指されています。

01005601【需給調整市場】制度見直しを議論(第1回 次世代電力・ガス事業基盤構築小委員会 電力安定供給ワーキンググループ(2026年5月13日))