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01022101【FIT/FIP】風力発電に関する制度改革。エネ庁委員会での議論を振り返る

01022101【FIT/FIP】風力発電に関する制度改革。エネ庁委員会での議論を振り返る

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風力発電のコスト分析およびFIT/FIP関連の課題と対応策

風力発電に関するコスト分析と制度的課題については、昨今の急激な事業環境の変化を背景に、各種委員会で多角的な分析と議論が行われています。

陸上風力着床式洋上風力、そして浮体式洋上風力というそれぞれの形態ごとに、コスト構造や直面している課題が異なりそれに対応した制度設計が進められています。

陸上風力については、システムコストの一定の低減が見られる一方で、開発適地の減少や系統接続コストの増大が課題となっています。

着床式洋上風力は、世界的なインフレやサプライチェーンの逼迫により建設コストが当初見込みの2倍以上に跳ね上がり、第1ラウンドにおける事業者の撤退という事態を招きました。

浮体式洋上風力は、未だ技術開発と実証の段階にあり、将来的なコスト低減に向けた国内製造基盤の構築が急務とされています。

これらのコスト実態と課題を踏まえ、FIT/FIP制度における価格調整スキームの導入や、長期脱炭素電源オークションとの連携、さらには事業完了後の廃棄等費用積立制度の義務化など、事業を確実に完遂させるための環境整備が議論されています。

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2025年9月30日 第76回 再生可能エネルギー大量導入・次世代電力ネットワーク小委員会

陸上風力および洋上風力を含むすべての風力発電設備を対象とした、事業終了時の廃棄等費用積立制度の導入について具体的な制度設計が提示されました。

太陽光発電においてはすでに義務化されている廃棄費用の外部積立を風力発電にも拡大し、事業規律を強化することが目的です。

風力発電設備は、重量の約9割を占めるタワーやナセル等の金属部分は有価でリサイクルされるルートが確立しているものの、ブレードなどに使用されるガラス繊維強化プラスチック等の複合材料の処理が技術的課題となっています。

対応策として、2027年4月を目途に風力発電もFIT/FIP制度における廃棄等費用積立制度の対象とすることが提案されました。

具体的な制度設計としては、調達期間または交付期間の後半10年間で積立を行うこと、積立金額は調達価格等の算定において想定されてきた廃棄等費用の水準を軸とすることが示されました。

ただし、海洋再生可能エネルギー発電設備の整備に係る海域の利用の促進に関する法律に基づく公募案件については、公募占用指針に基づき厳格な資金確保の確認が別途実施されるため、二重規制を避ける観点から一律に対象外とする整理が行われました。

荒山委員

風力発電の廃棄費用の積立につきまして、小型の風力発電であれば太陽光と同様に強制的な外部積立制度を導入することは妥当だと考えられます。

小型では資金的に弱い事業者も多く、自主的な取り組みに任せるだけでは費用が確保されないリスクがあるためです。一方で、大規模な風力発電については、伝統的に財務基盤の安定した大手企業が運営していることが多く、基本的には自主的な取り組みに委ねても実効性が確保されやすいように思われます。

制度導入にあたっては、実情を尊重しつつ、過度な負担にならないように運用していただきたいと思っております。

小野委員

風力発電設備を廃棄等費用積立制度の対象とする方向性に異論はございません。

ただし、すでに大きな負担となっている電気料金の追加の負担にならないことは重要な要件だと思っています。

太陽光発電に比べて大量廃棄までには今しばらく時間があることから、廃棄やリサイクルに関する技術開発に取り組むとともに、先行する海外の対応状況等を研究することも重要だと考えます。

2025年11月10日 第38回 洋上風力促進ワーキンググループ

洋上風力発電(着床式)の第1ラウンド公募において事業者の撤退が生じた要因に関する詳細なコスト分析と、FIP制度移行に関する課題が報告されました。

撤退の最大要因は、事業環境の急激な変化による建設費用の想定外の高騰です。事業者へのヒアリング等に基づく分析によれば、2020年の公募開始時から撤退公表時までに、資材価格の指標となる国内企業物価指数が鉄鋼で約100パーセント、電力用ケーブルで約72パーセント上昇し、為替も対ドルで約40パーセントの円安が進行しました。

これに世界的な風車製造枠の逼迫や、複雑な海底地盤調査結果に伴う施工方法の見直しが重なり、風車調達費用、洋上工事費用、陸上工事費用のいずれもが公募参加時の見積もりから2倍以上に増加する結果となりました。

この甚大なコスト増に対する対応策として、FIT制度からFIP制度への移行による収益拡大が検討されましたが、市場価格の高い時間帯を狙った売電や相対契約の工夫をもってしても、コスト増加分を吸収できるほど高額で、かつ物価変動リスクに連動する条件での長期売電契約を締結できる需要家を確保することは極めて困難であったことが明らかになりました。

2025年11月19日 第39回 洋上風力促進ワーキンググループ

洋上風力発電のコスト低減に向けた長期的な道筋と、浮体式洋上風力を含めた産業基盤構築の方向性が議論されました。

着床式洋上風力については、日本風力発電協会からの報告により、足元のコストはモノパイル案件の平均で資本費が約90万円毎キロワット、運転維持費が約1.23万円毎キロワット毎年に達しており、発電コストは22.4円毎キロワットアワーに高騰している実態が示されました。

この状況を打開するための対応策として、2040年までに着床式で30ギガワットという大規模な案件形成を計画的に進めることで市場の魅力を高め、投資を呼び込む方針が確認されました。

具体的なコスト低減のシナリオとして、風車の大型化や技術革新による設備利用率の向上、および累積導入量の倍増に伴う学習効果によって資本費と運転維持費を段階的に引き下げ2045年には発電コストを約13.4円毎キロワットアワーまで低減させ、政策支援がなくとも自立可能な水準を目指す道筋が提示されました。

さらに浮体式洋上風力については、日本が強みを持つ造船技術や鋼構造物の製造ノウハウを活かすため、グリーンイノベーション基金を通じた技術開発や実証事業を加速させ、GXサプライチェーン構築支援事業によって浮体基礎製造施設の設備投資を強力に後押しすることで、海外メーカーに依存しない国内製造基盤を早期に確立する対応策が打ち出されました。

2025年12月12日 第109回 制度検討作業部会

洋上風力発電事業を確実に完遂させるための制度的支援として、長期脱炭素電源オークションの活用に関する議論が行われました。

現行の制度では、FITまたはFIP制度の適用を受けている再エネ案件は、投資回収を補填する固定費の二重回収を防ぐという原則から、長期脱炭素電源オークションへの参加が認められていません。

しかし、洋上風力は投資額が巨大であり、事業期間も長期にわたるため、インフレや金利上昇などの外部環境の変化による事業頓挫リスクが高いという課題に直面しています。

この課題に対する特例的な対応策として、海域の占用許可を取得する上でFIP制度の適用が前提となる公募案件であっても、プレミアムを完全に放棄して供給価格をゼロ円とするゼロプレミアム案件に変更することを条件に、長期脱炭素電源オークションへの参加を認める措置が提案されました。

ゼロプレミアム案件であれば、発電計画の作成等のために交付されるバランシングコスト相当分を除いてFIP交付金を受け取らないため、固定費の二重回収という制度上の問題は生じません。

この対応により、黎明期にある洋上風力事業に対して長期的な固定収入を保証し、資金調達の安定性を高めることで、事業の確実な完遂と国内サプライチェーンの構築を強く後押しすることが目指されています。

2025年12月26日 第78回 再生可能エネルギー大量導入・次世代電力ネットワーク小委員会

これまでの各ワーキンググループや作業部会での検討結果を踏まえ、風力発電を含む再生可能エネルギーの主力電源化に向けた全体的な支援のあり方が総括されました。

陸上風力については、システムコストの低下は見られるものの、適地不足による開発の難化を考慮し、引き続き自立化に向けた道筋の検討を加速することが確認されました。

洋上風力については、着床式の足元の発電コストが22.4円毎キロワットアワーに上昇している深刻な実態を重く受け止め、個別事業者の問題として片付けるのではなく、制度設計の側から事業環境の厳しさを検証し直す必要性が共有されました。

対応策として、第2ラウンド以降の事業完遂を最優先課題とし、物価変動リスクを制度側で一部引き受ける価格調整スキームの導入や、前述のゼロプレミアム案件に対する長期脱炭素電源オークションへの参加容認など、事業の予見可能性を確保するための重層的なセーフティネットを構築していく方針が承認されました。

荒山委員

洋上風力発電について現時点で重要なのは、黎明期であることを踏まえてスピードを落とさないことと、過去の経験を制度的に検証して同様の事態を繰り返さないことです。

第1ラウンドにおいては事業者の撤退という残念な結果に至りましたが、重要なのはその結果を個別事業者の判断に帰すのではなく、なぜそのような判断が事業者にとって合理的な選択となり得たかを制度の側から検証し改善につなげることであると認識しております。

事業環境のどの要素が過酷に厳しかったのかを丁寧に行っていただいたと評価しています。

松村委員

ゼロプレミアム入札を容量市場の入札の前提とすることには違和感を持っていますFIPはそもそもキロワットアワーの発電コストをスポット市場価格レベルに補正するためのプレミアムであり、電源コストに見合う基準価格のFIP電源に容量市場を認めないことは、つまりその電源のキロワット価値を認めていないことに等しいと考えられるからです。