東京海上日動火災保険株式会社は、2026年5月15日、改正GX推進法に基づく排出量取引制度(GX-ETS)の本格運用に対応し、火災や設備事故によって排出削減目標の達成が困難となった企業の追加財務負担をカバーする「GX-ETS関連費用補償保険」の販売を開始したと発表しました。新制度の開始に伴う企業の新たな環境リスクを補償する国内初の専門保険商品となります。

義務化された排出削減目標と突発的事故のリスク
日本政府は、2050年のカーボンニュートラル実現に向けて、直近3か年度の平均二酸化炭素(CO2)直接排出量が10万トン以上の事業者に対してGX-ETSへの参加を義務付けています。対象企業は排出枠を割り当てられ、目標に達しない不足分は他の事業者から枠を購入するか、カーボンクレジットを調達する必要があります。
しかし、工場などで予期せぬ火災や機器の損壊事故が起き、操業停止や生産効率の悪化が生じた場合、当初の計画通りの排出削減ができなくなるリスクが存在します。これにより、予期せぬ排出枠の買い増しや、代替となる低炭素燃料への急な切り替え費用が発生し、企業の脱炭素経営に突発的な損失をもたらす懸念が指摘されていました。
炭素市場の価格変動リスクを抑え企業の脱炭素投資を支援
本商品は、これまでの一般的な火災保険や利益保険では対象外であった「事故に起因する排出枠・カーボンクレジットの追加購入費用」を専門的に補償します。
東京海上日動は、制度に参加する大規模排出事業者に対してこの新商品を提供することで、事故による経済的損失の不確実性を排除し、安心して再生可能エネルギーへの転換や生産プロセスの省エネ投資に踏み切れる環境を整えるとしています。
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