大和エナジー・インフラ株式会社は、2026年5月19日に北海道千歳市における大規模な系統用蓄電所プロジェクトの資金調達に関する発表を行いました。本事業は同社が全出資を行う「千歳蓄電所合同会社」が推進。あおぞら銀行を単独のアレンジャー兼エージェントとしてプロジェクトファイナンス(ノンリコース・ローン)契約を締結しました。
蓄電所の所在地は千歳市流通三丁目であり、連系容量は38.0MW、蓄電池容量は160.32MWhという巨大な規模を誇ります。商業運転の開始は2027年10月を予定。本施設は、JEPX(日本卸電力取引所)市場や需給調整市場、容量市場といったマルチプラグの運用を行う、補助金に依存しない完全なマーチャント(自主採算型)蓄電所ビジネスを展開する計画です。
北海道エリアの電力課題と開発の背景
北海道地方は、風力や太陽光をはじめとする豊富な再生可能エネルギーのポテンシャルを秘めています。しかし、その一方で発電量の変動に対応する系統の許容量(グリッドキャパシティ)の不足が深刻化。春先や秋口など電力需要が低い時期を中心に、再生可能エネルギーの出力制御が多発しているのが実情です。大和エナジー・インフラは、電力系統の安定化と再エネの有効活用を両立させるため、この大型蓄電インフラの整備に踏み切ったとしています。
本取り組みの意義
この千歳蓄電所プロジェクトの始動は、北海道における再エネの「出力制御(発電無駄)」を低減させるうえで極めて大きな役割を担います。余剰電力を蓄え、需給が逼迫する時間帯に放電することで、地域全体の電力安定供給とグリッドの強靭化に貢献。さらに、補助金に頼らない純粋な商業ベースでの大規模プロジェクトファイナンス組成に成功した事実は、系統用蓄電池ビジネスが日本国内で自立的な金融資産として定着し始めた証左であり、今後のインフラ投資拡大を誘発する試金石としても高い意義を持ちます。