国際航業株式会社(エネがえる運営事務局)は、2026年3月24日、産業用太陽光発電システムを導入している企業担当者330名を対象とした導入方式選択に関する調査結果を発表しました。
調査では、第三者所有モデルであるPPA(Power Purchase Agreement)を選択する企業が多数を占める一方、契約終了後の設備取り扱いなど、長期運用に関する課題も浮き彫りとなりました。
調査は、国際航業が提供する太陽光・蓄電池の経済効果診断サービス「エネがえる」に関連して実施されたもので、インターネット調査形式で行われました。調査期間は2026年2月19日、有効回答数は330件です。
産業用太陽光発電導入担当者が選んだ契約形態、「オフサイトPPA」が40.6%、「オンサイトPPA」(39.7%)と拮抗
「Q1. あなたのお勤め先が現在導入している、産業用太陽光発電システムの契約形態を教えてください。」(n=330)と質問したところ、「オンサイトPPA(自社敷地内に設置し、発電した電力を購入する)」が39.7%、「オフサイトPPA(自社敷地外の発電所から電力を購入する)」が40.6%という回答になりました。

PPAと自己所有、「比較検討に悩んだ」が9割近く
調査結果によると、産業用太陽光発電を導入済みの企業担当者の88.1%が、PPA方式と自己所有方式の比較検討時に「悩んだ経験がある」と回答しました。
企業が太陽光発電設備を導入する際、初期投資を抑制できるPPAモデルと、自社資産として設備を保有する自己所有モデルのどちらを選択するかは、大きな経営判断となっています。特に近年は、電力価格高騰や脱炭素要請の強まりを背景に、再生可能エネルギー導入ニーズが急速に高まっており、設備投資判断の複雑化が進んでいます。
導入方式を決めた理由については、「長期的なトータルコストの安さ」が42.6%で最多となりました。単純な初期費用比較ではなく、長期運用を前提としたライフサイクルコストを重視する傾向が強まっていることがうかがえます。
また、設備保守、資金調達、減価償却、電力料金削減効果など、多面的な観点から比較検討を行っている企業が多い実態も示されました。
PPA導入企業の半数超、「契約終了後の設備扱い」に不安
一方で、PPA導入後の課題についても調査では明らかになっています。
PPA導入済み担当者の52.1%が、「契約終了後の設備の扱いが不明確」と回答しました。PPAでは、契約期間終了後に設備譲渡、撤去、再契約など複数の選択肢が存在するケースがあり、導入時点で将来の運用条件が十分整理されていない事例もあるとしています。
さらに、設備更新時のコスト負担や、契約期間中の電力単価変動リスク、事業所移転時の対応など、中長期運用に関する論点も企業側の関心事項となっています。
国内ではFIP制度拡大や非化石価値取引市場の進展、Scope2排出量開示高度化などを背景に、企業の再エネ導入手法そのものが高度化しています。単純な「導入有無」から、「どの方式で、どの期間、どのコスト構造で導入するか」というフェーズへ移行している状況が、今回の調査からも読み取れます。
再エネ導入判断、財務・GX戦略との統合が進展
近年は、企業のGX(グリーントランスフォーメーション)戦略と設備投資戦略が一体化する動きが加速しています。
特に産業用太陽光では、オンサイトPPA、オフサイトPPA、自己託送、自家消費型太陽光など選択肢が多様化しており、契約スキームごとの会計処理やリスク分担も複雑化しています。
再エネ導入が単なるコスト削減施策ではなく、TCFD開示、RE100対応、サプライチェーン排出量削減など、企業価値向上と連動したテーマへ変化していることも、導入方式選定を難しくする要因となっています。
今回の調査は、国内企業の再エネ投資判断が、従来以上に中長期視点とファイナンス視点を重視する段階へ移行している実態を示すものとなりました。
情報出典:「エネがえる運営事務局調べ」
出典 URL:https://www.enegaeru.com