IHIは、2026年4月、マレーシア国営石油会社PETRONASおよび同社系クリーンエネルギー企業Gentariと、アンモニア専焼ガスタービン実証に向けた共同実証協力契約を締結したことを発表しました。
今回の実証では、天然ガスを使用せず、アンモニアのみを燃料として燃焼させる「アンモニア専焼ガスタービン」の実用化を目指します。アンモニアは燃焼時にCO2を排出しない一方、既存のLNGインフラを一部活用できる可能性があり、次世代脱炭素燃料として注目されています。

マレーシアで水素・アンモニア供給網形成へ
PETRONASとGentariは、マレーシアで水素・アンモニア供給網整備を進めており、日本向け輸出も視野に入れています。今回の取り組みでは、マレーシアで製造される低炭素アンモニアを活用し、発電用途での技術実証を行う計画です。
IHIはこれまで、石炭火力向けアンモニア混焼技術を開発してきましたが、今回はさらに進んだ「専焼」領域へ踏み込む形となります。専焼化によって、発電時CO2排出を大幅に削減できる可能性があります。
また、同社は大型ガスタービン向け燃焼制御技術や燃料供給技術を蓄積しており、燃焼安定性やNOx抑制技術などの検証も進める見通しです。
火力脱炭素化の現実解として期待
近年、AIデータセンターや電化需要増加を背景に、世界的に安定電源需要が再拡大しています。一方で、再エネ大量導入だけでは需給安定化が難しい場面も増えており、脱炭素型火力技術への関心が高まっています。
日本政府も水素・アンモニアをGX戦略の柱に位置付けており、国内ではJERAや電源開発などが混焼実証を進めています。ただし、商用化には燃料コスト低減や大量供給体制構築が課題です。
今回の実証は、単なる発電技術検証だけでなく、東南アジアと日本を結ぶ低炭素燃料サプライチェーン形成の一環としても注目されそうです。
出典:IHI