川崎市は、2026年5月8日、「(仮称)扇町天然ガス発電所建設プロジェクト」に関する環境影響評価方法書について、市長意見を神奈川県知事宛てに提出したことを公表しました。
本事業はENEOS Powerが計画するLNG火力発電所で、建設予定地はENEOS川崎事業所内の約19万m2の未利用地です。発電出力は750MWで、2033年前半の運転開始を目指しています。発電方式にはGTCC(ガスタービン・コンバインドサイクル)を採用し、近隣LNG基地からパイプラインで天然ガス供給を受ける計画です。
ENEOS Powerは2025年12月、環境影響評価方法書を経済産業省などへ提出しており、2029年前半の着工、約4年間の建設工期を想定しています。
年間70万トンLNG使用、水素混焼も視野
計画では、年間約70万トンのLNGを燃料として使用する見込みです。一方、同社は将来的な水素混焼やCCS(CO2回収・貯留)導入も検討するとしています。
GTCCは、ガスタービン排熱を蒸気タービン発電へ再利用する高効率火力技術で、再エネ変動への調整力としても活用が期待されています。近年はAIデータセンターや電化需要増加を背景に、首都圏で安定供給電源の重要性が再認識されています。
計画地周辺には、ENEOS Powerと東京ガスが共同出資した「川崎天然ガス火力発電所」(847.4MW)も立地しており、京浜臨海部は引き続き国内有数のエネルギー供給拠点となっています。
川崎市、気候変動対策との整合性を重視
今回公表された市長意見では、温室効果ガス削減への具体的対応、大気環境影響評価、騒音・振動対策、地域防災への配慮などを求めています。
特に川崎市は脱炭素政策を進めており、長期的なカーボンニュートラルとの整合性や、最新低炭素技術導入可能性を十分検討するよう指摘しました。
再エネ拡大が進む一方、系統安定化や供給力維持のため高効率ガス火力需要も残る中、今後はLNG火力と水素・CCSをどう組み合わせるかが重要テーマになりそうです。
出典:川崎市