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英国政府、小型モジュール炉(SMR)導入に向けた戦略的契約を締結 ロールス・ロイスSMRを選定

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英国政府は、2026年4月17日、政府出資のエネルギー新会社「グレート・ブリティッシュ・エナジー(GBエナジー)– ニュークリア」を通じて、ロールス・ロイスSMR社との間で英国初となる小型モジュール炉(SMR)の導入に向けた契約を発表しました

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本契約は、英国のエネルギー安全保障を強化し、2050年までのカーボンニュートラル実現に向けた原子力発電能力の拡大を目指す重要なステップです。これにより、ロールス・ロイス社が開発するSMR技術を用いた具体的なプロジェクトの実行フェーズが開始されることになります。

英国産SMR技術の採用とエネルギー自給率の向上

今回の契約締結により、ロールス・ロイスSMRは英国初のSMRフリート(一連の原子炉群)を提供する優先パートナーとしての地位を固めました。SMRは従来の大型原子力発電所に比べて、工場でのモジュール製造が可能なため、建設期間の短縮とコストの抑制が期待されています。

GBエナジーは、国内の低炭素電源を安定的に確保するため、公共投資を活用して原子力プロジェクトを主導する役割を担っています。自国技術であるロールス・ロイスSMRの採用は、クリーンエネルギーの供給だけでなく、国内のサプライチェーン強化や高技能職の雇用創出にも寄与するとしています。

段階的な導入プロセスとリスク管理の徹底

プロジェクトの初期段階では、サイトの選定や詳細設計の最終化、規制当局による承認プロセスの加速に焦点が当てられます。英国政府は、SMRの導入を通じて電力価格の安定化を図るとともに、化石燃料への依存度を低減させる方針を明確にしています。

また、本契約には厳格なマイルストーンが設定されており、技術的な安全性や経済的妥当性を継続的に評価する仕組みが取り入れられています。原子力発電特有の長期的な投資リスクを政府が一部補完することで、民間からの投資を呼び込み、プロジェクトの確実な遂行を目指すとしています。

原子力24GW目標に向けた戦略的意義

英国政府は、2050年までに原子力発電の容量を最大24GW(ギガワット)に拡大し、全電力需要の約25%を賄う目標を掲げています。ヒンクリー・ポイントCやサイズウェルCといった大型炉に加え、機動性の高いSMRを組み合わせることで、柔軟な電力系統の構築を追求しています。

GBエナジーとロールス・ロイスSMRの連携は、英国が世界のSMR市場においてリーダーシップを発揮するための布石でもあります。実証された技術を国内外へ展開することで、グローバルな脱炭素化に貢献しつつ、英国の経済成長を牽引していく考えです。

出典:https://www.gov.uk/government/news/great-british-energy-nuclear-and-rolls-royce-smr-sign-contract

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