富士電機と東亞合成は、2026年5月18日、東亞合成名古屋工場で生成される未精製の電解水素を燃料とした水素燃料電池システムの共同実証を開始したことを発表しました。
実証では、東亞合成のソーダ電解プラントから発生する、水洗のみを行った水蒸気含有の「未精製水素」を活用。富士電機が開発した定置用水素燃料電池システムを用いて、安定運用や耐久性、商用化可能性を検証します。

MIRAI燃料電池モジュールを活用
今回使用されるシステムは、トヨタ自動車の燃料電池車「MIRAI」に搭載されている燃料電池モジュールをベースに、富士電機が定置用として開発したものです。
富士電機は1998年から産業用燃料電池を展開しており、庁舎、病院、大学など国内外100台超の導入実績を持っています。今回のシステムでは、同社が培ってきた燃料電池制御技術やパワーエレクトロニクス技術を活用し、低コスト化と高耐久化を図ったとしています。
一方、東亞合成は長年のソーダ電解・カリ電解操業で培った製造技術を持ち、安定した副生水素供給が可能です。
「副生水素活用」がGXの現実解に
水素燃料電池は発電時にCO2を排出しない一方、水素供給コストやインフラ整備が課題となっています。特にグリーン水素製造コストは依然高水準で、商用拡大には安価な水素源確保が重要視されています。
その中で、化学プラントや電解設備から発生する副生水素を活用する動きが国内外で広がり始めています。ただし、不純物や水蒸気を含む未精製水素は、燃料電池性能や寿命への影響評価が必要でした。
今回の実証では、未精製水素でも安定発電が可能かを検証することで、水素利活用の裾野拡大が期待されます。既存工場インフラを活用できれば、水素輸送コスト削減や地域分散型電源形成にもつながりそうです。
出典:富士電機