日本卸電力取引所(JEPX)は、2026年4月から5月にかけてのスポット市場(一日前市場)の取引結果を発表しました。電力のスポット市場では、日中と夕方以降で約定価格(システムプライス)が乱高下する現象が顕著に見られました。特に太陽光発電の出力が低下する15時以降の時間帯において、買い入札量が売り入札量を大きく上回る需給ひっ迫が発生し、一部のエリアで価格が高騰しています。
具体的な高騰の事例として、4月23日のコマ32(15時30分から16時)では、売り入札量が約2723万キロワット時であったのに対し、買い入札量が約2963万キロワット時まで膨れ上がりました。この結果、システムプライスが28.40円となる一方で、特定のエリアプライスは最高値である1キロワット時あたり60.00円に到達しました。
真夏日の冷房需要と太陽光の減少による価格跳ね上がり
さらに5月に入ると、記録的な真夏日による冷房需要の急増が高騰に拍車をかけました。5月20日のコマ31(15時から15時30分)においては、売り入札量約3019万キロワット時に対して買い入札量が約3131万キロワット時となり、システムプライスが35.01円、最高エリアプライスが50.01円を記録しました。
また、5月25日のコマ38(18時30分から19時)では、夕方の点灯需要も重なり、システムプライスが期間中最高水準の40.41円に達しています。この時間帯の買い入札量は約2945万キロワット時となり、売り入札量の約2677万キロワット時を大幅に上回りました。
エリア間の価格差と日中の0.01円約定の実態
価格高騰のエリア的な特徴を見ると、主に東京、中部、北陸エリアなどで顕著な上昇が確認されています。一方で、連系線の送電容量制約の影響もあり、北海道や九州エリアでは相対的に価格が低く抑えられる傾向がありました。
このような夕方の価格急騰とは対照的に、日中のコマでは太陽光発電による供給過剰が常態化しています。晴天日の昼間には売り入札量が4000万キロワット時を超える日も多く、システムプライスが下限値である0.01円に張り付く状態が頻発しており、再生可能エネルギーの導入拡大に伴う需給バランスの極端な変動がデータから浮き彫りとなっています。