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01005603【需給調整市場揚水随契】需給調整市場、揚水随契を議論、中国電力ネットワークは新たに導入提案~第20回制度設計・監視専門会合

01005603【需給調整市場揚水随契】需給調整市場、揚水随契を議論、中国電力ネットワークは新たに導入提案~第20回制度設計・監視専門会合

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経済産業省の電力・ガス取引監視等委員会は、2026年5月29日に開催した第20回制度設計・監視専門会合において、2026年度における揚水随意契約(揚水随契)について議論を行い、中国電力ネットワークから新たな揚水随契の導入方針が示されました。

調整力市場改革と揚水随契の経緯

日本の需給調整市場では、再生可能エネルギーの導入拡大や火力電源の休廃止を背景に、周波数維持や需給バランス調整を担う「調整力」の確保が重要課題となっています。

特に揚水発電は、大規模なエネルギー貯蔵能力と高速な出力変化能力を持ち、一次調整力や複合商品などの供給力として長年活用されてきました。しかし近年は、需給調整市場やスポット市場の整備が進み、市場メカニズムを通じて調整力を調達する方向へ制度が移行しています。

一方で、揚水発電は市場収益だけでは維持が難しいケースもあり、一般送配電事業者が運用権を確保する「揚水随契」が一部エリアで導入されてきました。

2026年度については、2026年3月開催の第19回制度設計・監視専門会合において、中部電力パワーグリッド、東北電力ネットワーク、関西電力送配電および東京電力パワーグリッドによる揚水随契の方針が了承されています。

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前日取引化で変化した市場環境

今回の会合で議論の中心となったのは、中国エリアと北海道エリアです。

背景には、2026年3月14日に実施された複合商品の前日取引化があります。

従来は3時間単位で取引されていた複合商品が前日市場化されたことで、発電事業者は余剰電力をスポット市場へ優先的に投入しやすくなりました。その結果、一部エリアでは需給調整市場への応札余力が減少し、募集量未達や調達価格上昇が発生しています。

制度設計・監視専門会合資料によると、中国エリアでは前日取引化以降、複合商品の応札量不足が顕著となり、募集量未達コマ数が大幅に増加しました。さらに調達単価も上昇し、2026年4月の平均調達単価は4.5円/ΔkW・hとなり、レベニューキャップ申請単価である4.4円/ΔkW・hを上回る水準に達しました。

中国電力ネットワークが15万kWの揚水随契を提案

こうした状況を踏まえ、中国電力ネットワークは15万kWの揚水随契導入を提案しました。

契約期間は契約締結から2027年3月末までで、TSOが揚水発電設備の運用権を確保します。契約費用はスポット市場および需給調整市場で失われる収益相当額などを事後精算する方式です。

同社の分析では、2026年度秋季には一次調整力を供出可能な火力発電所の約半数が定期点検等で停止する予定であり、一次調整力不足のリスクが高まるとしています。また夏季・冬季にはスポット市場価格上昇によって需給調整市場への応札余力がさらに減少する可能性も指摘しました。

一方、揚水随契による調達コストは約0.5円/ΔkW・hと試算され、需給調整市場のみで調達する場合より大幅に低コストとなる見通しです。

蓄電池との関係は

揚水随契導入に際しては、近年急増している系統用蓄電池や火力電源などの市場参加機会を阻害しないかも論点となりました。

中国電力ネットワークは、揚水随契導入後も調整力必要量の約54%を需給調整市場から調達する見込みであり、一次調整力や複合商品では依然として募集量未達の時間帯が残ると説明しました。

また、不落札分析では揚水随契によって追加的に不落となる札は応札量全体の13%程度であり、レベニューキャップ単価以下の安価な札が不落となる割合は4%の増加にとどまると試算しています。

このため、中国電力ネットワークは蓄電池や火力電源などの市場参加機会への影響は限定的と評価しています。

北海道は引き続き検討

一方、北海道エリアについては結論が先送りされました。

北海道では一次調整力について火力発電や蓄電池から十分な応札があり、2026年4月の複合商品の平均約定単価も2.71円/ΔkW・30分と、2025年度平均の5.28円/ΔkW・30分を大きく下回っています。

ただし、三次調整力①では調達未達が増加しており、仮に揚水随契を導入した場合には市場で安価に応札している電源の不落が増える可能性があります。

このため北海道電力ネットワークは、市場動向や蓄電池の応札状況をさらに分析したうえで、次回以降の会合で改めて対応方針を報告することとなりました。

今回の議論は、揚水発電を単に保護するか否かではなく、市場原理を維持しながら調整力を安定確保するために、揚水発電・火力発電・系統用蓄電池をどのように組み合わせるべきかという、日本の電力システム改革の根幹に関わるテーマとなっています。再エネ比率の上昇と蓄電池導入拡大が進む中で、揚水発電の役割をどう位置付けるかが今後も重要な論点となりそうです。

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