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01030001【非化石価値取引市場】JEPX非化石価値市場、非FIT証書が上限価格1.3円で全量約定 小売事業者の義務需要が価格押し上げ

数値

日本卸電力取引所(JEPX)は、2026年5月、2025年度第4回非化石価値取引市場の取引結果を発表しました

非FIT非化石証書では、「再エネ指定なし」と「再エネ指定」の双方で売り札が全量約定し、約定価格は上限価格である1kWhあたり1.30円に到達しました。一方、FIT非化石証書加重平均価格は0.44円となっています。

非化石価値取引市場は、発電時にCO2を排出しない電源の環境価値を証書化して取引する制度です。小売電気事業者や需要家は、購入した証書を活用することで、実質再エネ電力や実質ゼロエミッション電力として環境価値を調達できます。

原子力・大型水力由来の非FIT証書に需要集中

今回価格が上限に張り付いた非FIT非化石証書のうち、「再エネ指定なし」は主に原子力発電由来、「再エネ指定」は大型水力発電などFIT制度対象外の再エネ電源が中心です。

非FIT証書価格が高止まりしている背景には、小売電気事業者による高度化法対応の需要があるとみられます。エネルギー供給構造高度化法では、小売事業者に対して非化石電源比率の向上が求められており、自社で十分な非化石電源を確保できない事業者は、非FIT非化石証書の購入によって不足分を補う必要があります。

特に原子力や大型水力由来の「再エネ指定なし」証書は、高度化法の義務達成用途として利用されるケースが多く、制度上の需要が価格形成を支えている構図です。市場価格が上限の1.30円に張り付いた状態は、供給不足と義務需要の強さを反映した結果ともいえます。

FIT証書価格は低位推移、制度設計の違い鮮明に

一方、FIT非化石証書は0.44円/kWhの加重平均価格となり、非FIT証書との価格差が拡大しました。FIT証書は固定価格買取制度で導入された再エネ電源を由来とするため、国民負担による再エネ賦課金で支えられている点が特徴です。

このため、高度化法の義務達成では非FIT証書と異なる扱いとなっており、制度需要が限定されやすい構造があります。結果として、FIT証書は主に実質再エネメニュー向けなどの用途が中心となり、価格は非FIT証書より低い水準で推移しています。

非化石証書市場では現在、制度義務に基づく需要が価格形成へ大きく影響しており、特に非FIT市場では原子力や大型水力由来の環境価値の重要性が高まっている状況です。

FIT証書の価格低迷を巡る過去の議論

FIT証書の約定価格が継続的に下限価格付近に張り付いている現状について、これまで政府の審議会等で様々な課題が指摘されてきました。例えば2025年9月30日に開催された「第76回次世代電力ネットワーク小委員会」などでは、需要家が自ら参加できるFIT証書市場の価格が、環境価値の事実上の価格指標として機能している実態が議論されました。

足元で下限価格による安価な調達が可能であり、仮に需給が逼迫しても上限価格が設定されていることで、需要家が中長期のPPA(電力購入契約)を締結するインセンティブが阻害されているとの強い懸念が示されています。さらに、FIT証書は国民負担である再エネ賦課金に支えられており、その販売収入が賦課金の低減に充てられるべき性質のものであるにもかかわらず、低価格での取引が続くことでその低減効果がわずかにとどまっている点も問題視されました。

加えて、現行の4.0円/kWhという上限価格についても、設定当時と異なりFIT証書市場が需要家による自主的な調達に基づく市場へと変容していることから、その存在意義を根本から再検討すべきとの声が上がっていました。

今後の見直し:2027年度からの上下限価格改定と上限撤廃

こうした課題を解決し、再生可能エネルギーの自立的な投資を促進するため、2026年3月4日に開催された「第112回 制度検討作業部会」において、FIT証書の上下限価格に関する具体的な見直し方針が示されました。

まず、下限価格については、非FIT証書との価格バランスを確保し、PPA市場への悪影響を是正するため、2027年度に現行の非FIT証書市場の下限価格である1kWhあたり0.6円まで引き上げる方針が示されました。

さらに、2028年度以降も非FIT証書市場の下限価格の水準に合わせて連動させることを基本としています。一方、上限価格については、高度化法の義務履行における代替手段としてのあり方を別途検討した上で、第3フェーズ(2026~2028年度)の期間中に完全に撤廃する方向性が示されました。

なお、小売電気事業者や需要家の負担急増を防ぎ、事業環境の変化に対する準備期間を確保する観点から、2026年度については特例的に現行の価格水準(下限0.4円、上限4.0円)を据え置く措置が取られます。これにより、FIT証書市場は制度としての新たな段階へと移行することになります。

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出典:日本卸電力取引所(JEPX) 非化石価値取引 市場情

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