Googleは、2026年2月24日、米ミネソタ州で建設を進めるデータセンター向けクリーン電力プロジェクトにおいて、米Form Energyの鉄空気電池(Iron-Air Battery)を採用すると発表しました。
計画では、風力発電1,400MW、太陽光発電200MWに加え、300MWの鉄空気電池システムを導入します。蓄電時間は100時間規模とされ、総蓄電容量は30GWh級に達する見通しです。実現すれば、世界最大級の長時間蓄電プロジェクトになる可能性があります。
今回採用される鉄空気電池は、リチウムイオン電池とは異なる長時間蓄電技術です。鉄が酸素と反応して錆びる際に放電し、逆に電力を加えて酸化鉄を鉄へ戻すことで充電する仕組みで、Form Energyは「可逆的な錆び」の反応を利用した電池と説明しています。
AI時代の電力需要に対応
Googleは近年、生成AI向けデータセンター拡大に伴い、24時間安定して脱炭素電力を確保する「24/7 Carbon-Free Energy(24/7 CFE)」戦略を推進しています。
従来の再エネ調達では、年間ベースで再エネ証書を相殺する手法が主流でしたが、太陽光や風力は天候や時間帯によって出力が変動します。そのため、夜間や無風時には火力発電への依存が残る構造が課題でした。
今回の100時間対応蓄電池は、数日単位の再エネ変動に対応できる点が特徴です。一般的な4時間系統用蓄電池では対応が難しい長期間の需給ギャップを埋めることで、データセンターの電力脱炭素化をさらに進める狙いがあるようです。
米国ではAIデータセンター向け電力需要が急増しており、Google、Microsoft、Amazonなどの大手テック企業は、再エネに加え、長時間蓄電池や次世代原子力、小型モジュール炉(SMR)などへの投資を拡大しています。
長時間蓄電市場の拡大も
近年の電力市場では、太陽光発電の大量導入によって昼間に余剰電力が発生し、夕方以降に需給が逼迫するケースが増加しています。
これまで主流だったリチウムイオン蓄電池は4時間前後の短周期調整に適していましたが、数十時間から数日規模の需給変動には限界も指摘されていました。
そのため米国では、鉄空気電池、フロー電池、圧縮空気エネルギー貯蔵(CAES)など、長時間蓄電(LDES)技術への関心が急速に高まっています。特にAIデータセンターの拡大は、24時間安定供給と再エネ導入を同時に求めるため、長時間蓄電市場の成長を後押ししそうです。
出典:Google Blog