住友商事は、2026年5月15日、オーストラリアおよびニュージーランドにおける使用済みリチウムイオン電池の回収・再資源化事業に関する検討開始を発表しました。住友金属鉱山のほか、豪州のEnvirostream Australia、ニュージーランドのPhoenix Recycling Groupと個別にMOU(覚書)を締結し、電池循環型サプライチェーンの構築に向けた実現可能性を検証します。

オセアニアで電池資源の回収網を構築
今回の取り組みでは、オーストラリアおよびニュージーランドで発生する使用済みリチウムイオン電池を回収し、放電・解体・粉砕などの前処理を経て「ブラックマス」と呼ばれる中間原料へ加工します。その後、日本国内の精錬工程へ接続し、ニッケル、コバルト、リチウムなどの重要鉱物を回収して新たな電池材料として再利用する「水平リサイクル」の実現を目指す考えです。
EV普及や再生可能エネルギー導入の拡大に伴い、電池資源の確保は世界的な課題となっています。資源の海外依存度が高い日本にとっては、海外で発生した使用済み電池を回収し国内で再資源化する「資源還流モデル」の構築が重要なテーマとなっています。
デジタル技術でトレーサビリティ強化
住友商事は、電池の使用履歴や原材料の由来、リサイクル率などを管理するデジタル基盤の構築も進める方針です。欧州で強化される電池規制への対応を見据え、デジタル・AIを活用したトレーサビリティ管理を導入し、サプライチェーン全体の可視化を図るとしています。
また、本事業には独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)が技術支援を行う予定です。日豪間で進む重要鉱物サプライチェーン強化の動きとも連動しており、オセアニア地域における電池リサイクル市場の形成や資源循環の拡大につながることが期待されます。
出典:住友商事