Search

11070050 【AI普及政策】EU、AI・半導体分野の技術主権強化策を公表 AI大陸構想の具体化へ官民約78兆円投資を推進

数値

欧州委員会は、2026年6月3日、AI、半導体、クラウド基盤分野における欧州の技術主権強化に向けた政策パッケージを発表しました。同パッケージは、2025年4月9日に公表した「AI Continent Action Plan(AI大陸行動計画)」を具体化するもので、官民合わせて2,000億ユーロ(約78兆円)規模の投資を呼び込むことを目指しています。

EUは近年、生成AIや先端半導体、クラウドサービス分野で米国や中国への依存が高まっていることを課題視しており、域内での研究開発、製造、データ処理基盤の強化を進めています。今回の施策では、AI向け計算資源やデータセンター、半導体製造能力の拡充を通じて競争力向上を図る考えです。

AIギガファクトリーとデータセンター整備を加速

AI大陸行動計画では、AI開発向けの大規模計算基盤として「AIギガファクトリー」の整備を打ち出しています。1施設あたり10万基超の先端AIプロセッサを活用できる環境を整備し、最大5拠点の構築を目指します。

あわせてEU域内のスーパーコンピュータ基盤を活用した「AIファクトリー」の展開も進められており、スタートアップや研究機関、産業界による高度なAI開発を支援する方針です。

さらに、クラウドおよびAI関連インフラを対象とした「Cloud and AI Development Act」の策定を進め、今後5~7年間でEU域内のデータセンター容量を現在の約3倍に拡大する構想を示しています。生成AIや大規模言語モデルの利用拡大に伴う計算需要への対応が狙いです。

Chips Act 2.0で半導体競争力強化

半導体分野では、既存のEU Chips Actを発展させる「Chips Act 2.0」の検討を進めています。EUは2030年までに世界半導体市場におけるシェアを20%へ引き上げる目標を掲げており、先端半導体の設計・製造能力の強化を目指します。

今回の政策パッケージでは、AI、半導体、クラウドを経済安全保障上の重要分野として位置付けており、欧州域内での研究開発や生産能力の確保を重視しています。AI規制の整備を先行して進めてきたEUが、今後は大規模な産業投資とインフラ整備を通じて国際競争力強化へ軸足を移しつつあることを示す内容となっています。

出典:European Commission AI Continent Action Plan

ニュース記事一覧へ>>