株式会社JERA Crossは、2026年5月13日にソニーセミコンダクタマニュファクチャリング株式会社への環境価値提供発表を行いました。実際のサービスは2026年4月1日から始まっています。施設や拠点の屋上に配置された太陽光発電設備から生まれる余剰電力を1つに束ね、バーチャルPPA(V-PPA)の仕組みを用いて環境価値を長期にわたり供給するアグリゲーションサービスです。
背景にある課題と分散型電源の活用
昨今、RE100やSBTiといった国際的な環境イニシアチブへの対応を理由に、大手企業を中心として再生可能エネルギーを長期的に調達したいという需要が強まっています。しかし、大規模な発電所の開発は用地の確保や送電系統への接続制限などがあり、供給量を即座に拡大することは容易ではありません。一方で、都市部などの屋上太陽光発電は有望な再エネ電源として期待されながらも、個々の設備規模が小さいために大手需要家が直接長期契約を結ぶことが困難という課題が存在していました。JERA Crossは小規模な電源をアグリゲーションによって集約することで、このミスマッチを解消する仕組みを構築したとしています。
本取り組みの意義
本サービスの開始は、これまで十分に活用しきれていなかった都市部や各拠点の「屋上余剰電力」という分散型リソースを有効に市場へ引き出す先駆的な事例と言えます。需要家側にとっては長期かつ安定的に確実な環境価値を調達できるメリットがあり、供給側にとっては小規模電源の収益化や導入促進に繋がるのが特徴。このように、立地制約の多い国内において、既存インフラの隙間を埋める形で再エネの総量を底上げし、企業の脱炭素化を現実的に前進させる点に大きな意義があります。