シンガポールの研究チームは、2026年5月、厚さ80μmの超薄型シリコン太陽電池で19.7%の変換効率を達成したとする研究成果を発表しました。
研究では、「biPoly」と呼ばれる両面ポリシリコンパッシベーション構造を採用したTOPCon(Tunnel Oxide Passivated Contact)型太陽電池を開発しました。Front selective n⁺-TOPConとRear blanket p⁺-TOPConを組み合わせ、低圧化学気相成長法(LPCVD)で形成した点が特徴です。
試作セルは、開放電圧719mVを記録し、薄型化しながらも高い表面パッシベーション性能と光学特性を維持しました。また、セルを薄くすることで機械的柔軟性も向上したとしています。
シリコン使用量削減と軽量化へ
一般的な結晶シリコン太陽電池の厚さは150〜180μm程度ですが、今回のセルは約半分となる80μmまで薄型化しています。
シリコンウェハ使用量を削減できるため、材料コスト低減や軽量化につながる可能性があります。さらに、柔軟性向上によって、建材一体型太陽電池(BIPV)や車載用途、耐荷重制約がある屋根への展開も期待されています。
近年は中国メーカーを中心にTOPCon量産化が急速に進んでおり、N型セル市場が拡大しています。一方、薄型化が進むと割れやすさや変換効率低下が課題になるため、今回の研究では両面パッシベーション構造によって性能維持を図ったようです。
ペロブスカイト以外でも次世代化競争
次世代太陽電池ではペロブスカイトが注目される一方、既存シリコン技術を高度化する研究も続いています。
TOPConやHJT(ヘテロ接合)など高効率N型技術は量産インフラを活用しやすい利点があり、超薄型化と組み合わせることで、軽量・高効率・低材料使用量を同時に実現する方向へ進みつつあります。
特に都市部やインフラ空間では、軽量性や施工性への要求が高まっており、超薄型シリコン技術も今後の選択肢として存在感を高める可能性があります。
株式会社モノクロームは、2026年4月30日、屋根一体型太陽光パネルの新モデル「Roof–1e(ルーフ ワン イー)」の販売発表をしました。新製品は、同社のフラッグシップモデルである「Roof–1 (black)」の思想を継承しつつ、導入コストを大幅に抑えた設計が特徴です。
1Wあたりの単価を37%削減
Roof–1eは、製造工程や構造を見直すことで、従来のフラッグシップモデルと比較して1Wあたりの単価を37%削減することに成功しました。同社は、これまで意匠性を重視しつつも予算面で導入を断念していた住宅プロジェクトに対し、より現実的な選択肢を提供するとしています。
プロ向けの見学会も開催
本製品の展開に合わせ、2026年5月20日と21日には工務店やハウスメーカーなどの事業者向け見学会が予定されています。建築の一部として機能する太陽光パネルの普及を目指し、設計条件やコストバランスの最適化を図った新モデルの細部が公開される見通しです。
出典:モノクローム、屋根一体型太陽光パネル「Roof–1e」を発売

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