株式会社D&Dホールディングス傘下の株式会社バンクレンタカーは、2026年3月31日、REXEV社が展開するEVカーシェアリングサービス「eemo(イーモ)」の直営事業を承継したことを発表しました。
今回の事業承継は、小田原市を中心に展開されてきた「エネルギー×モビリティ」の先駆的なモデルを継承するものです。このモデルは、市役所の駐車場などに設置されたEVを、平日は公用車や職員の移動手段として活用し、休日は住民や観光客に開放することで、車両の稼働率を最大化させる仕組みを特徴としています。

自治体が関与するEVカーシェアリングは、単なる移動手段の提供に留まりません。複数の利用主体が車両をシェアすることで事業性が向上するだけでなく、地域に点在するEVを「動く蓄電池」として集約し、地域の再生可能エネルギーを効率的に活用する基盤としての役割が期待されています。
分散型電源としてのEVを束ねる地域共創モデル
大規模な発電所に依存する従来型のシステムとは異なり、地域に分散した太陽光発電などの再エネ電力を、EVのバッテリーに一時的に貯蔵し、需要に応じて活用する試みが進んでいます。多数のEVが地域電力網(グリッド)と連携することで、あたかも一つの大きな蓄電池のように機能する「VPP(仮想発電所)」の構築が現実味を帯びています。
このようにEVを電力需給の調整力として一体的に運用する手法は、地域の再エネ自給率を高め、エネルギーの地産地消を実現するための重要な道筋となります。D&Dグループは、自社が保有するレンタカーや観光・宿泊といった多角的な事業リソースを組み合わせ、移動とエネルギーを横断的に管理する「地域共創モデル」の全国展開を目指しています。
自治体との連携を軸にしたこのモデルは、過疎化や交通網の維持が課題となる地域において、環境負荷の低減と公共インフラの維持を両立させる解決策として位置づけられています。
アワーリーマッチングによるエネルギー地産地消の深化
地域内でのエネルギー循環をより高度化させるためには、電力の発電時間と消費時間を1時間単位で一致させる「アワーリーマッチング」の視点が不可欠です。太陽光発電などの出力が不安定な分散型電源を、EV側の充電タイミングを制御することでリアルタイムに適合させる技術は、真の脱炭素化に向けた鍵となります。
小田原市での実証事業を通じて蓄積されたデータや知見を基に、電力需要の逼迫時や再生可能エネルギーの余剰時に合わせてEVの充放電を最適化するシステムは、地域のレジリエンス向上にも寄与します。災害発生時には、これらのEVが「地域の非常用電源」として機能し、避難所等へ電力を供給するインフラとしての役割も担うとしています。
一極集中型のエネルギー供給から、地域に根ざした分散型エネルギー社会への移行において、自治体・企業・住民が一体となった本モデルの横展開が期待されます。
出典:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000022.000163532.html