帝国データバンクによれば、EVバスおよびトラックの販売を手がける株式会社EVモーターズ・ジャパン(本社:福岡県北九州市若松区)は2026年4月14日、東京地裁へ民事再生法の適用を申請し、同日保全命令を受けたとのことです。負債総額は約57億円に上ります。
同社は、2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)向けに約190台のEVバスを納入するなど、国内の商用EV市場で急速に存在感を高めていました。しかし、万博会場でのブレーキ異常による接触事故の発生や、2026年2月の代表取締役社長交代など、経営や品質管理体制を巡る動向が注視されていました。
北九州市営バスが同社製EVバスの運行を一時停止
この事態を受け、同社の拠点を擁する北九州市は、市営バスで導入している同社製のEVバス3台について、4月16日から運行を一時的に見合わせる措置を講じました。武内和久市長は同日の記者会見において、導入済みの車両は法令上の基準に適合しており、走行の安全性自体に問題がないことは確認済みであると説明しています。
今回の運行停止は、あくまで市民の安心を最優先に考えた判断であり、将来にわたるメンテナンス体制の確約が正式に得られるまでの暫定的な措置となります。市長は、同社に対してメンテナンス業務の継続性について文書で申し入れを行うなど、今後の保守管理体制の透明性を求めていく姿勢を鮮明にしました。
メンテナンス体制の不透明さと代替策の検討
会見の中で武内市長は、民事再生手続きの開始に伴い、車両の維持管理が今後も担保されることが極めて重要であると繰り返し強調しました。万博での事故や経営陣の刷新といった経緯もあり、保守体制への懸念が強まったことを踏まえ、同社からの回答を慎重に吟味するとしています。
また、市はEVモーターズ・ジャパンによるメンテナンスが困難になる可能性も視野に入れ、別の保守事業者の確保を検討するよう市役所内部に指示を出したとのことです。該当する3台の運行再開時期については、同社からの回答内容や新たなメンテナンス体制の構築状況を判断材料とし、慎重に決定される見通しです。