環境NGOのGlobal Canopyは、2026年4月13日、最新の「Forest 500」データに基づき、法規制の導入が企業の森林破壊対策を前進させる強力な原動力になっているとの分析を発表しました。
本報告では、EU森林破壊防止規則(EUDR)などの法的枠組みが整備されたことで、対象となる企業においてサプライチェーンの透明性確保やデューデリジェンスの実施が急速に進んでいる実態が示されています。自発的なコミットメントだけでは限界があった企業の行動が、法的義務を伴うことで実効性を持ち始めているとしています。
規制対象企業の対策進捗と非対象企業との格差
調査データによると、EUDRの適用範囲に含まれる企業では、森林破壊リスクの高い原材料(大豆、パーム油、牛肉、木材など)に関する調達方針の策定や、生産地の追跡管理が他企業に比べて有意に進展しています。規制が「何をすべきか」という具体的な基準を提示したことで、企業内でのリソース配分が加速したことが要因として挙げられています。
一方で、依然として規制の枠外にある企業や金融機関においては、対策が大幅に遅れている実態も浮き彫りになりました。Global Canopyは、市場全体から森林破壊への加担を排除するためには、現在の地域限定的な規制を超えて、グローバルで一貫した法的要件が必要であると分析しています。
金融セクターへの規制拡大とデータ活用の重要性
今回の分析では、金融機関のアクションが企業セクターに比べて遅滞していることも指摘されました。多くの金融機関が依然として森林破壊に関連する事業への資金提供を続けており、金融セクターを明示的に対象とした法的枠組みの構築が、2030年の目標達成に向けた「ミッシングピース(欠けた断片)」であるとしています。
また、規制への適応を支援するためには、衛星データやトレーサビリティ技術を活用した高精度なモニタリング体制の確立が不可欠です。透明性の高いデータが公開され、それを基に規制当局や投資家が監視を行うサイクルを回すことで、サプライチェーンの健全化が図れるとしています。
COP30を見据えた包括的な政策形成への提言
Global Canopyは、ブラジルで開催されるCOP30に向けて、各国政府が森林対策を単なる努力目標ではなく、経済活動のルールとして組み込むべきだと主張しています。特に、企業が報告を行う際の基準を統一し、比較可能な形で情報を開示させることで、市場を通じた是正メカニズムがより強固に働くと期待されています。
同団体は、今回のデータが示す「規制の有効性」を根拠に、政策立案者に対してより野心的な法整備を求めていく方針です。森林保護を気候変動対策の柱と位置づけ、企業と金融が足並みを揃えて森林破壊ゼロを目指すためのロードマップを明確にすべきであるとしています。