株式会社IHIは、2026年4月16日、米国バブコック・パワー(Babcock Power Inc.)傘下のBabcock Power Services Inc.およびRiley Power Inc.の2社と、北米市場における発電用ボイラの低炭素燃料転換工事に関する協業契約を締結したと発表しました。
本提携は、石炭火力発電所から排出される二酸化炭素の削減を目的とし、既存のボイラ設備をアンモニアや天然ガス、バイオマスなどの低炭素燃料へ転換する改造工事の推進を目指すものです。IHIが持つ燃焼技術と、米国企業が有する広範なサービスネットワークを組み合わせることで、エネルギー転換を加速させるとしています。
北米の既設ボイラを低炭素化する改造ニーズへの対応
北米では環境規制の強化に伴い、多くの石炭火力発電所が廃止または燃料転換を迫られています。今回の協業により、IHIが強みを持つ「アンモニア専焼・混焼技術」や「ガス転換技術」を、米国内の既設ボイラに適用するためのエンジニアリング体制を構築します。
バブコック・パワー傘下の2社は、米国におけるボイラメンテナンスやアフターサービスで豊富な実績を持ち、数多くの顧客基盤を保有しています。IHIの高度な燃焼シミュレーション技術やバーナー設計を、現場の施工・サービスに精通したパートナーを通じて提供することで、確実な設備改造を実現するとしています。
アンモニア燃焼技術によるカーボンニュートラルへの貢献
特に期待されているのが、燃焼時に二酸化炭素を排出しないアンモニアを燃料として活用する技術です。IHIは世界に先駆けて大型ボイラでのアンモニア転換技術の開発を進めており、これを北米市場に展開することで、既存資産を有効活用しながら脱炭素化を図る「ジャスト・トランジション(公正な移行)」を支援する方針です。
また、アンモニア以外にも、天然ガスへの燃料転換(ガスコンバージョン)やバイオマス燃料の活用など、顧客のニーズや燃料調達状況に応じた最適なソリューションを共同で提案します。これにより、発電効率を維持しつつ、排出される温室効果ガスの大幅な削減を可能にするとしています。
戦略的提携を通じたグローバルなエネルギー転換の牽引
今回の契約締結は、IHIが掲げる「環境・エネルギー・産業インフラ」領域における事業拡大の一環です。自社の技術を海外の有力なサービスプロバイダーと結びつけることで、北米という巨大な市場において迅速に事業を展開する狙いがあります。
両社は今後、具体的な案件の特定と共同提案を進め、北米におけるエネルギーインフラの近代化と環境負荷低減に寄与していく意向です。持続可能な社会の実現に向け、既存の発電設備を低炭素化する取り組みは、今後世界的に重要性を増していくとしています。
出典:https://www.ihi.co.jp/all_news/2026/resources_energy_environment/1201972_13799.html