全日本空輸(ANA)と日本航空(JAL)は、2026年4月20日までに、同年6月以降の発券分から国際線の燃油特別付加運賃(燃油サーチャージ)を引き上げることを発表しました。

今回の引き上げは、イラン情勢の緊迫化に伴う航空燃料価格の上昇を受けたものです。シンガポールケロシン市場の直近2カ月の平均価格が基準値を上回ったため、現行の適用段階からの引き上げが決定されました。これにより、北米や欧州などの長距離路線を中心に、旅客の負担が一段と増すことになります。
海外キャリアも追随、各国の航空運賃に上昇圧力
燃油コストの上昇は日本の航空会社に留まりません。海外の主要キャリアでも同様の動きが加速しています。例えば、シンガポール航空やルフトハンザ・ドイツ航空などのグローバル・キャリアも、燃料指標の変動に基づきサーチャージの調整、あるいは運賃への転嫁を進めています。
また、国内線の運賃についても議論が進んでいます。国内線には国際線のような「サーチャージ」という外付けの仕組みはありませんが、燃料費高騰分を運賃体系そのものに反映(運賃改定)させる動きが一部で検討されています。
LCCの運航停止と日本の現状への懸念
世界的に見ると、燃料価格の高騰は航空業界の経営を強く圧迫しています。中東や欧州の一部では、資金力の脆弱な格安航空会社(LCC)が燃料費増に耐えきれず、特定の路線で運航停止や減便の措置を講じる事態が報告されています。
日本では現時点で、大手・LCCともに燃料費を理由とした大規模な運航停止には至っていませんが、事態は予断を許しません。各社は燃油ヘッジ等の対策を講じているものの、イラン情勢が長期化しホルムズ海峡の封鎖リスクが継続すれば、さらなるコスト増は避けられません。今後の原油価格の推移と、それが日本の航空インフラの維持に与える影響が注視されています。