電源開発株式会社(Jパワー)と飯野海運株式会社は、石炭専用船「YODOHIME(よどひめ)」に、風力を推進力に変える補助装置「ローターセイル」を搭載することに合意したと発表しました。
石炭専用船へのローターセイル搭載は世界初の試みとなります。搭載工事は2024年7月から9月頃を予定しており、海運業界における脱炭素化への新たなアプローチとして注目を集めています。
マグヌス効果を活用した次世代の風力推進技術
今回採用されるのは、フィンランドのノースパワー社(Norsepower Oy Ltd.)が開発した、高さ24メートル、直径4メートルの円筒状の帆です。これは「フレットナー・ローター」の原理を応用したもので、甲板上に設置された円筒を回転させることで、風が当たった際に発生する「マグヌス効果」を利用して推進力を生み出します。
この最新技術と航海最適化システムを併用することにより、従来の航行と比較して約6〜10%の燃料消費量および二酸化炭素(CO2)排出量の削減が見込まれています。燃料コストの低減だけでなく、環境負荷の低減を同時に実現するとしています。
石炭輸送のクリーン化と持続可能な供給網の構築
Jパワーと飯野海運は、石炭の安定供給を維持しながらも、その輸送プロセスにおける環境対策を強化する方針です。本船「YODOHIME」は2016年に竣工した船舶ですが、既存船への後付けが可能なローターセイルの特性を活かし、船舶のライフサイクル全体での環境性能向上を図ります。