株式会社REXEVは、2026年4月2日、三菱自動車工業が提供する車両データプラットフォーム「Mobility Service Platform」とのAPI連携を開始したことを発表しました。
今回の連携により、REXEVのEVカーシェアリングシステムにおいて、三菱自動車の軽EV「eKクロスEV」の充電残量(SoC:State of Charge)などのリアルタイムデータを直接取得することが可能となります。EVカーシェアリング事業における最大のボトルネックは、無人運営ゆえの「充電管理」にあります。従来のレンタカーとは異なり、次に利用するユーザーのために車両が十分な航続距離を確保しているかを常に把握し、管理しなければならないためです。
これまで、正確な充電状況を把握するには後付けのデバイスを設置するか、自動車メーカーの個別協力が必要であり、システム構築の大きな壁となっていました。本事業は、自動車メーカー自身が一体となって参画するモデルであり、EVの利便性を飛躍的に高めるものとして期待されています。
自動車メーカーによるデータオープン化とAPI連携の意義
EVメーカーの中で、外部のサービス事業者に対して充電状況などのデータをAPIで積極的に提供してきたのは、事実上テスラのみでした。しかし、今回のREXEVと三菱自動車の連携は、国内メーカーにおいても車両データのオープンソース化や外部連携に向けた議論が加速していることを示唆しています。

高精度な車両データがAPIを通じて提供されることで、運用側は「利用開始時にどの程度の走行が可能か」をユーザーに正確に提示でき、予期せぬ電欠リスクを大幅に低減できます。これは、単なる利便性の向上だけでなく、車両の稼働率を最大化させるためのエネルギーマネジメントにおいて不可欠な要素です。
自動車メーカーが保有するコネクティッドデータを外部のサービスプロバイダーと共有する動きは、今後EV普及に伴うインフラ整備の一環として、業界全体の標準的な議論になっていくと見られています。
分散型電源としてのEV活用と地域エネルギー供給への道筋
EVは移動手段としての役割を超え、大容量のバッテリーを備えた「走る蓄電池」としての価値を持っています。本事業のように車両データが正確に把握・制御可能になることは、将来的にEVを地域エネルギー供給の基盤として組み込む「分散型電源の統合」への道を開きます。
多数のEVを束ねて、地域の電力需要に合わせて充放電を制御するVPP(仮想発電所)や、バーチャルマイクログリッドの構築において、SoCのリアルタイムデータは極めて重要なパラメータです。地域内の再生可能エネルギーが余剰となる時間帯に集中的に充電し、ピーク時に供給するといった「アワーリーマッチング(時間ごとの需給調整)」を、EVフリートを通じて実現する一助となります。
小規模な分散型太陽光発電所と連携し、地域内でエネルギーを循環させる地産地消モデルにおいて、データ連携が可能なEVは動的な蓄電アセットとして機能します。今回の取り組みは、単なるカーシェアの効率化に留まらず、次世代の分散型エネルギー社会における供給システムの核となる可能性を秘めているといえるでしょう。
出典:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000178.000048307.html