テスラは、2026年4月22日、同年第1四半期(1〜3月期)の連結決算および事業進捗を発表しました。同期の生産台数は40万8,386台、納車台数は35万8,023台を記録。エネルギー貯蔵製品の設置容量も8.8GWhに達するなど、前年の停滞期を脱し、主力事業が軒並み回復基調にあることが示されました。
営業利益は前年同期比2.4倍の9億4,100万ドル(約1,500億円)となり、売上高は16%増の223億8,700万ドルに達しました。増収増益は1年半ぶりとなります。テスラによれば、モデル3およびモデルYの堅調な需要に加え、製造コストの最適化が進んだことが利益率の改善に寄与しています。
納車台数回復とエネルギー事業の拡大
第1四半期の車両販売では、モデル3およびモデルYが生産39万4,611台、納車34万1,893台と全体の約95%を占めました。その他のモデル(モデルS/X、サイバートラック等)も1万6,130台が納車され、全車種合計での納車台数は前年を上回る推移を見せています。平均販売価格の変動や為替の影響を受けつつも、販売台数の回復が業績を力強く牽引しました。
また、蓄電池事業などのエネルギー分野も成長を加速させています。8.8GWhという設置容量は、同社のエネルギー貯蔵ビジネスが車両販売に次ぐ収益の柱として定着しつつあることを裏付けています。テスラは、これら生産・納車データはあくまで財務指標の一部であるとした上で、最終的な純利益やキャッシュフローについても、市場予想を上回る結果を公表しました。
ロボタクシー事業の急伸と「Cybercab」の展望
次世代事業の核心であるロボタクシー分野では、有料走行マイル数が前四半期比で2倍に急増しました。自動運転専用車両「Cybercab」については、生産開始後、段階的にモデルYのフリートを置き換えていく方針です。将来的にCybercabは、テスラのフリート内で最大台数を誇る主力車種となることが見込まれています。
テスラは、オースティンでの無監視自動運転運用を拡大し、2024年4月にはダラスやヒューストンでも開始するなど、テキサス州を中心にサービス網を広げています。新規都市への展開に向けては、試験走行や各自治体の許認可対応といった基盤整備を継続しており、準備が整い次第、迅速な展開を目指す構えです。
ライバル各社との自動運転開発競争
テスラが「FSD(Supervised)」のAI知能化を武器に攻勢を強める中、競合他社も自動運転技術の実装を加速させています。中国のBYDは最新のAI搭載モデルを日本を含む世界市場へ投入し、トヨタは車載OS「アリーン」を核とした高度運転支援技術を新型EVへ搭載。日産も新型リーフとともに進化した「プロパイロット」を武器にシェア回復を狙っています。
グーグル傘下のウェイモ(Waymo)などが先行するロボタクシー市場に対し、テスラは膨大な実走行データを活用した学習モデルと、専用車両の量産体制で対抗します。安全性と許認可の壁が依然として高い中、テスラの「Cybercab」による大規模フリートの構築が、自動運転市場における覇権争いの行方を左右すると予測されています。
出典:https://assets-ir.tesla.com/tesla-contents/IR/TSLA-Q1-2026-Update.pdf
出典:https://ir.tesla.com/press-release/tesla-first-quarter-2026-production-deliveries-and-deployments