メキシコのクラウディア・シェインバウム大統領は、2026年4月8日、米国の天然ガスへの依存を軽減し、エネルギー主権を強化するため、非従来型の天然ガス資源の開発を検討する方針を発表しました。これまでメキシコ政府は環境負荷の観点から水圧破砕法(フラッキング)に否定的な立場を維持してきましたが、国際情勢に伴うエネルギー供給の不安定化を受け、事実上の政策転換に踏み出した形です。
「持続可能」な手法を模索し依存脱却へ
今回の戦略「天然ガス:エネルギー主権強化のための戦略」の柱は、輸入ガスの多くを占める米国への依存度を下げることにあります。シェインバウム大統領は、環境破壊の象徴とされる「フラッキング」という用語を避けつつも、「持続可能な抽出」という表現を用い、環境への影響を最小限に抑えた開発を目指す考えを示しました。背景には、中東情勢の緊迫化によるエネルギー価格の変動や、国内の安定的なガス供給確保という切実な課題があります。
2カ月間の技術評価と規制の構築
方針転換にあたり、政府は技術委員会を設置し、今後2カ月をかけて開発の実現性を精査する計画です。具体的には、飲料水ではない水の利用や化学添加物の削減など、環境負荷を低減する代替手法のコストと有効性を検証します。一方で、環境保護団体からは環境汚染への強い懸念が示されており、独立した規制枠組みの構築を求める声も上がっています。同大統領は、気候変動の専門家としての知見を活かし、環境保護とエネルギー安全保障の両立を図るとしています。