ルフトハンザ・ドイツ航空は、2026年4月22日、同年5月から10月までの夏季スケジュールにおいて、合計約2万便の運航をキャンセルすることを発表しました。イラン情勢の悪化によるジェット燃料価格の高騰を受け、燃料消費の大幅な抑制と供給リスクへの対応を目的とした、世界でも最大規模の運航削減措置となります。
燃料価格2倍、航空インフラ維持に向けた「苦渋の決断」
中東での紛争勃発以来、航空燃料の国際価格は短期間で2倍以上に急騰しており、各国の航空会社の収益を圧迫しています。ルフトハンザは、燃料供給の不確実性が高まる中で、安定した運航を継続するためには、比較的需要の代替が容易な欧州域内線を中心に、戦略的に便数を絞り込む必要があると判断しました。
この決定により、数百万人の旅行客に影響が出る見通しですが、同社は燃料消費効率の低い古い機体の早期退役や、貨物便への燃料優先配分を同時に進めることで、長距離国際線の維持に注力する構えです。航空各社は、燃料サーチャージの引き上げだけでなく、こうした物理的な減便によってのみ、現状のコスト増を吸収できる限界点に達しているといえます。
欧州全域での燃料ショート回避へ、閣僚級の緊急協議
ルフトハンザの動きを受け、欧州諸国の運輸相らはベルギーで緊急会合を開き、域内でのジェット燃料の在庫管理と供給網の維持に向けた具体策の検討を開始しました。中東からの供給ルートが制限される中、欧州全体で燃料が枯渇する事態を避けるための「燃料融通スキーム」の構築が議論の焦点となっています。
閣僚会議では、戦略的備蓄の段階的な放出や、鉄道などの他交通機関へのシフトを加速させる方針が示されました。燃料不足が夏季の観光産業に与える打撃を最小限に抑えるため、各国政府と航空業界が一体となった危機管理体制の構築が急務となっています。