ダラス連邦準備銀行(ダラス連銀)は、2026年4月23日、中東情勢の緊迫化を受けたエネルギー企業の意識調査である「第1四半期エネルギー調査・追加アップデート」を発表しました。120社の石油・ガス企業を対象とした本調査により、地政学リスクが米国のエネルギー戦略に与える具体的な影響が明らかになっています。
調査結果によれば、ホルムズ海峡の通航正常化には時間を要するとの見方が大勢です。正常化の時期について、2026年5月までと予想する企業は20%に留まり、39%が同年8月、26%が11月までかかると回答しています。また、今後5年以内に再び地政学的リスクによる通航妨害が発生する可能性について、86%の企業が「非常に高い」または「ある程度高い」と予測しており、供給ルートの不安定化が常態化する懸念を抱いています。
輸送コストの上昇と米国による増産期待
軍事紛争終結後のペルシャ湾からの原油輸送コスト(保険料、運賃等)については、戦争前と比較して1バレルあたり「2ドル超4ドル以下」上昇するとの回答が36%で最多となりました。

こうした外部環境の変化に対応し、米国の石油業界は増産に踏み切る構えです。イラン関連の紛争に応じた米国の増産規模について、2026年は日量25万バレル以下、2027年には日量25万〜50万バレル増加するとの予測が最も多く選ばれました。
供給網の再構築とエネルギー安全保障
中東での生産停止分のうち、最終的に市場へ戻るのは「9割以上」と考える企業が約3分の2を占めていますが、供給の不確実性は依然として残っています。
化石燃料価格の変動が激しさを増す中、安定的な国産エネルギーの確保は米国の最優先課題となっています。今後は、地政学リスクに左右されにくい安定電源の確保に向けた、電源構成の多角化と効率的なグリッド統合の重要性がさらに高まっていくとみられます。
出典:https://www.dallasfed.org/research/surveys/des/2026/2601/2601update