丸紅は2026年4月17日、英国を拠点に電力卸売・小売事業を展開する100%子会社のSmartestEnergy Limited(SEL社)を通じて、スペインのFactor Energia, S.A.(FE社)の株式85%を取得したと発表しました。取得価額は約2億400万ユーロ(約375億円)に上ります。
成長著しいイベリアおよび中南米市場への足掛かり
今回の買収により、丸紅はスペイン・ポルトガルの「イベリア半島」およびメキシコ・ブラジル・チリなどの中南米市場へ本格参入します。イベリアの電力需要は2024年時点で年間約267TWhと英国に匹敵する規模を誇り、データセンターの増設や電化の進展を背景に、2030年まで年率約3.9%の成長が予測されています。
また、スペイン政府は2030年までに再エネ比率を80%超に高める方針を掲げており、中南米においても電力自由化の進展とともに市場の拡大が期待されています。丸紅は、これらの有望な市場において、SEL社が培ってきた電力トレーディングの知見と、FE社の地域的な事業基盤を融合させる狙いです。
FE社のデジタル技術とSEL社の運用ノウハウを統合
FE社はスペイン初の独立系電力小売事業者として1999年に創業し、現在は同国で業界上位10社の一角を占めています。30万件を超える顧客基盤を持ち、AIを活用した電力使用量の可視化や、自社アプリによる迅速なカスタマーサービスなど、高いデジタル技術を有しているのが特徴です。
SEL社はすでに英国の商業・産業向け電力小売市場で約10%のシェア(英国第3位)を確保しており、近年は北米や豪州、日本市場へも進出しています。丸紅は本案件を通じて、グローバルな電力プラットフォームをさらに強化し、世界各地で再エネ電源の調達および販売サービスを加速させる方針です。