財務省が2026年1月29日に発表した「地域におけるAI活用を巡る現状(特別調査)」によれば、国内の幅広い業種・規模の企業においてAI活用が急速に浸透していることが明らかになりました 。本調査は2025年12月上旬から2026年1月上旬にかけて、全国の財務局が管内企業1,103社を対象にヒアリングを実施したものです 。
拡大するAI導入、大企業の約9割が活用
調査結果によると、現在AIを活用している企業の割合は、全規模・全産業平均で75%に達しており、約5年前の11%から大幅に増加しました 。企業規模別では、大企業の89%(約9割)が活用しているのに対し、中堅企業は66%、中小企業は65%となっており、規模を問わず活用が広がっている様子がうかがえます 。業種別では、製造業が80%と、非製造業の72%を上回る活用率を示しました 。
共通業務での活用が主流、製造・非製造で異なる専門用途
AI活用の具体的な用途については、「文章作成」が86%、「情報検索・収集・調査」が74%と高く、全業種に共通する定型業務が主要な領域となっています 。一方で、業種特有の活用も進んでおり、製造業では「製造・品質管理(33%)」や「開発・技術支援(16%)」、非製造業では「顧客分析(30%)」や「顧客対応(23%)」での活用が一定数見られます 。また、一部の機械系業種や陸運業では、AIロボティクスによる業務補助を導入する動きも確認されました 。
業務時間削減の効果を9割が実感、活用範囲の広さが鍵
AI活用の効果については、活用企業の91%が「業務時間削減」を挙げており、業務を補完する効果が顕著に現れています 。次いで「コスト削減(33%)」、「必要人員減少(28%)」、「既存商品等の価値・品質向上(24%)」といった効果が続いています 。注目すべき点として、AIの活用用途数が増えるほど、コスト削減や新規商品の開発といった高度な効果を実感する企業の割合が高まる傾向にあり、活用範囲の広さが効果の大きさに直結していることが示されました 。
人材不足が最大の課題、中小企業での制約が顕著
一方で、AIを活用していない理由として最も多かったのは「人材・スキル・体制が不十分」で、未活用企業の約4割(42%)に上りました 。この傾向は、大企業の31%に対し、中堅企業で44%、中小企業で47%となっており、規模が小さい企業ほどリソース不足が障壁となっています 。また、「各種リスクへの不安」を理由に挙げる企業も約15%存在し、今後の普及に向けては体制構築や教育、安全性の確保が重要な課題となっています 。
出典:https://www.mof.go.jp/about_mof/zaimu/kannai/202504/tokubetu.pdf