商船三井、日立製作所、および日立システムズの3社は2026年3月30日、中古船を改造して再利用する「浮体式データセンター(FDC)」の共同開発および商用化に向けた基本合意書を締結したと発表しました。
建設期間を最大3年短縮するスピード開発
今回のプロジェクトは、生成AIの急速な普及に伴い、世界的に不足しているデータセンターの供給能力を補うことを目的としています。陸上でのデータセンター建設には大規模な用地確保や複雑な許認可、周辺インフラの整備が必要ですが、中古船を改造するFDCであれば、これら制約を大幅に軽減できます。
具体的には、既存の船体を活用することで、更地から建設する陸上型と比較して開発期間を最大3年短縮できる見込みです。例えば、約54,000平方メートルの床面積を持つ大型の自動車運搬船を転用した場合、日本最大級の陸上データセンターに匹敵する収容能力を実現することが可能です。
水冷システムによる高い省エネ性能
浮体式ならではの利点として、周囲の海水や河川水をサーバーの冷却に直接活用する水冷式システムの導入が検討されています。これにより、従来の陸上施設で課題となっていた冷却用の電力消費や水資源の確保問題を解決し、運用コストの削減と環境負荷の低減を両立させます。
商船三井が船舶改造の企画や港湾との調整、海上運用の要件定義を担い、日立グループがITインフラの設計・建設および高度な運用技術を提供します。3社は日本、マレーシア、米国などの市場をターゲットに、2027年以降の稼働開始を目指して事業化の検証を加速させる方針です。