株式会社大林組(東京都港区)が2026年2月26日に発表したところによれば、同社は自社開発の物流施設の屋根上に設置した太陽光発電設備を活用し、オンサイトおよびオフサイトの需要家へ再生可能エネルギーを供給する「フィジカルPPA」事業に着手しました。この取り組みは、神奈川県厚木市で開発中の「OAK LOGISTICS CENTER厚木(仮称)」を対象として行われます。
物流施設の屋根を活用した「生グリーン電力」の供給スキーム
今回のプロジェクトでは、物流施設の広大な屋根面に約2.5MWdc(メガワットピーク)の太陽光発電パネルを設置します。年間発電量は約260万kWh(キロワット時)を見込んでおり、発電事業はグループ会社の大林クリーンエナジーが担います。施設内で消費しきれない余剰電力については、FIP(フィードインプレミアム)制度を活用し、一般送配電事業者の送電網を通じて外部拠点へ供給する仕組みです。
具体的には、大林道路や大林新星和不動産が運営する国内の事業拠点や商業施設などに対し、環境価値が付随した「生グリーン電力」として送電されます。これにより、オンサイトで年間約227トン、オフサイトで約2,569トンの合計約2,796トンのCO2排出削減に寄与する計算となります。
実質再エネ100%の実現と今後の展開
本事業の大きな特徴は、太陽光発電で賄いきれない夜間や天候不良時においても、大林組が取次事業者として環境価値(非化石証書)を組み合わせた電力を供給する点です。これにより、対象となる物流施設全体で実質的な再生可能エネルギー導入率100%を達成することを目指しています。運用開始は2027年1月以降を予定しています。
大林組はこれまでも自己託送やバーチャルPPAといった手法を通じて脱炭素化を推進してきましたが、今回のフィジカルPPAへの着手により、エネルギー供給の選択肢をさらに拡大させます。同社は、自社施設での運用を通じて蓄積した知見を活かし、建設事業における顧客への脱炭素提案を強化することで、2050年のカーボンニュートラル実現に向けた取り組みを加速させる方針です。
出典:https://www.obayashi.co.jp/news/detail/news20260226_1.html