株式会社富士経済は、2026年4月、脱炭素トレンドの中で普及が加速する太陽光発電PPA(電力販売契約)サービスの国内市場調査結果を発表しました。
本調査「発電~調達~小売に至るグリーン電力市場の全体像・将来予測調査 2026」によると、同市場は2040年度に2024年度比で5.7倍となる4,282億円規模にまで成長する見通しです。中長期的な脱炭素目標を掲げる需要家が増える中、従来のオンサイト型だけでなく、多様な契約形態が市場を牽引するとしています。
オフサイトPPAとバーチャルPPAの台頭
これまでは施設の屋根などを活用したオンサイトPPAが中心でしたが、今後は遠隔地の遊休地を活用した「オフサイトPPA」が大きく伸びる予測です。自社敷地内での設置容量に限界を感じる企業が、大規模な再エネ確保のために外部の発電所と契約するケースが増加しています。
また、実際の電力供給とは切り離し、環境価値のみを取引する「バーチャルPPA」も今後の成長株として挙げられています。物理的な送電網の制約を受けずに再エネ価値を調達できる柔軟性が、大企業を中心に需要を高める要因になるとしています。
蓄電池併用型や環境価値証書市場の動向
調査では、出力制御対策や電力の自家消費率向上を目的とした「蓄電池併用型PPA」の進展についても触れています。また、グリーン電力の小売や非化石証書などの環境価値証書市場についても網羅的に分析しており、再エネ調達手法が多層化している現状を浮き彫りにしました。
再エネ導入計画の策定が企業の競争力を左右する時代において、初期投資ゼロで導入可能なPPAモデルは、エネルギー転換の主要な手段となる見込みです。富士経済は、制度変更や技術革新に伴い、発電から小売に至るグリーン電力市場全体が構造的な変革期にあると分析しています。
2040年度に向けた市場規模の飛躍的増大
2024年度の市場規模と比較して5.7倍という高い成長予測は、政府が掲げる2050年カーボンニュートラル目標の達成に向けた企業の動きを反映したものです。PPAは、単なるコスト削減手段から、確実な再エネ調達と企業価値向上を目的とした戦略的なインフラへと進化しています。
今後は、国内の電力需給構造の変化やエネルギー価格の動向が市場成長の変数となりますが、脱炭素化の潮流は不可逆的であり、PPA市場は長期的に拡大基調を維持するとしています。多様化するニーズに対応したサービス形態の拡充が、今後の普及の鍵を握る方針です。
出典:https://www.fuji-keizai.co.jp/press/detail.html?cid=26034&view_type=2