資源エネルギー庁は3月17日、第10回「電力システム改革の検証を踏まえた制度設計ワーキンググループ」において、小売電気事業者に中長期で電力量(kWh)の確保を求める制度のとりまとめ案を発表しました。従来の方向性提示から一歩進み、確保義務の履行手段や中長期市場との接続、需要算定ルールなど、小売の調達戦略や収益構造に直接影響する制度として、実務レベルでの対応を迫る具体的な設計が示されました。
具体的な義務量として、実需給の3年度前(N-3年度)に直近の販売実績を基にした想定需要の5割、1年度前(N-1年度)に7割の供給力(kWh)確保が求められます。ただし、過去の一定期間の販売電力量の平均が5億kWhを下回る小規模事業者は、それぞれ2.5割、5割に軽減されます。本制度は2030年度の供給計画からの運用開始が想定されています。
また、調達の柔軟性を確保するため、需要バランシンググループ(BG)等を通じた複数事業者での共同調達による合算評価が認められました。確保する電源の種別も問われず、FITやFIPを含む再生可能エネルギーでの計上も可能です。
注目の未達時のペナルティについては、運用開始当初は過度な負担を避け、電気事業法に基づく「指導・勧告(及び公表)」を基本とする方針です。容量拠出金の追加徴収等による経済的ペナルティは、運用状況を見極めつつ引き続き検討されることになりました。小売電気事業者には、新たな制度に向けた戦略的な調達ポートフォリオの構築が急務となります。