損害保険ジャパン株式会社とSOMPOリスクマネジメント株式会社は、2026年3月31日、洋上風力発電所を対象とした保険価額の再評価サービスおよび地震リスクの定量評価サービスを同年4月から開始すると発表しました。以下に同社のプレスリリースを要約します。
本サービスは、世界的なインフレや資材高騰の影響を受け、建設時と現在で大きく乖離している可能性がある発電設備の再調達価額を適正に算出し直すものです。これにより、事故発生時に保険金が不足するリスクを回避し、事業者の適切なリスク管理を支援するとしています。
インフレに伴う再調達費用の乖離を解消する再評価サービス
近年、風力タービンや海底ケーブル、変電所といった洋上風力発電を構成する主要設備の価格および工事費は、インフレの進行により上昇傾向にあります。建設当時のデータに基づいた保険設計では、万が一の事故の際に復旧費用を十分にカバーできない「付保不足」の状態に陥る課題が生じていました。
新サービスでは、最新の市場価格や物流コストを反映して保険価額をアップデートし、適切な保険金額の設定を可能にします。これにより、事業の最大予想損害額(PML)の精度を高め、金融機関からの融資条件となるリスク評価の信頼性を向上させるとしています。
洋上風力特化型の評価モデルによる地震リスクの定量化
日本固有の自然災害リスクへの対応として、洋上風力発電所に特化した地震リスク評価モデルを新たに開発しました。これまでの台風や落雷といった気象リスクの評価に加え、複雑な海底地盤や洋上特有の構造を考慮した地震による損害予測が可能となります。
地震発生時の揺れや地盤変状が風車の基礎構造や海底ケーブルに与える影響を数値化し、定量的なリスク分析を提供します。科学的な根拠に基づいたリスク評価は、保険設計のみならず、事業の継続計画(BCP)の策定や、投資家に対する説明責任を果たす上でも重要な役割を担うとしています。
自然災害リスクの可視化を通じた事業継続の支援
洋上風力発電は日本のカーボンニュートラル実現に向けた主力電源として期待されていますが、過酷な自然環境下での長期運用には高度なリスクマネジメントが欠かせません。損保ジャパンとSOMPOリスクは、最新のデータと独自の解析技術を組み合わせることで、事業者が直面する不確実性の低減を図る方針です。
今回のサービス拡充により、建設から運営までの各フェーズにおけるリスクを包括的にカバーする体制が整うことになります。同社は、自然災害リスクの可視化を通じて、国内における洋上風力発電事業の安定的な普及と、持続可能なエネルギーインフラの構築に貢献していくとしています。
出典:https://www.sompo-japan.co.jp/-/media/SJNK/files/news/2025/20260331_1.pdf?la=ja-JP