日本製鉄株式会社は、2026年4月7日、洋上風力発電の支持構造物向けに最大板厚140mmの厚鋼板を開発し、経済産業省による性能評価を完了したと発表しました。
今回の性能評価完了により、国内の洋上風力向け構造物において、これまで事実上の上限とされてきた100mmを超える極厚鋼材の適用が可能となります。同社は、急加速する風車の大型化トレンドに対応し、国内の洋上風力発電プロジェクトの進展を素材面から支えるとしています。
風車大型化に伴う「モノパイル」等の大径化・厚肉化に対応
洋上風力発電では、発電効率の向上を目指して風車本体の大型化が世界的に進んでいます。それに伴い、風車を支える「タワー」や、海底に打ち込む「モノパイル」、複雑なトラス構造を持つ「ジャケット」などの支持構造物には、より高い強度と大きな荷重に耐えうる極厚の鋼材が求められていました。
今回開発された140mm厚鋼板は、巨大な風車の荷重と厳しい海象条件に長期間耐えうる優れた靭性と溶接性を兼ね備えています。これまでの制限であった100mmを超える厚みの使用が認められることで、設計の自由度が向上し、より巨大な風車の設置が可能になるとしています。
経済産業省の性能評価完了による国内プロジェクトへの適用
国内で洋上風力発電設備を設置する際は、経済産業省の「発電用風力設備に関する技術基準」に適合する必要があります。日本製鉄は、100mm超の鋼材について同省令に基づく厳格な性能評価を完了させたことで、国内の事業者が安心して本鋼材を設計に組み込める環境を整えました。
これまで国内では入手困難であった極厚鋼材を安定的に供給できる体制が確立されることは、海外製鋼材への依存度を下げ、国内サプライチェーンの強化にもつながります。同社は、高品質な国産鋼材の提供を通じて、洋上風力建設コストの低減や工期の短縮にも寄与する方針です。
カーボンニュートラル実現に向けた鋼材供給の戦略的意義
日本政府が掲げる2050年カーボンニュートラル目標において、洋上風力は再生可能エネルギーの主力電源化に向けた切り札とされています。本鋼材の開発は、大規模なウィンドファームの構築に不可欠な技術的基盤となります。
日本製鉄は、今後も高度な製鋼技術を駆使し、エネルギー転換に貢献する高機能な鋼材の開発を継続する意向です。洋上風力発電の過酷な環境下で長期間の運用に耐えうる素材を提供し続けることで、持続可能な社会インフラの構築を支えていくとしています。
出典:https://www.nipponsteel.com/newsroom/news/2026/20260407_100.html