日立製作所は、2026年4月21日、国内の家電事業を家電量販大手のノジマに売却することを発表しました。この合意に基づき、日立は自社の家電事業を承継する新会社を設立し、その株式の過半数をノジマに譲渡する形式で事業の移管を行います。
新会社設立と事業移管のスキーム
今回の決定により、日立の家電部門は新たに設立される合弁会社へと切り離されます。ノジマは新会社の株式の80%を取得し、連結子会社化する予定です。日立は引き続き20%の株式を保有し、ブランドの提供や製品開発での協調は維持されますが、経営の主体はノジマへと移ります。対象となるのは日本国内における家電の販売やアフターサービス、マーケティングを担う部門であり、長年「日立」ブランドを支えてきた事業基盤が小売大手の傘下に入ることになります。
販路拡大と顧客接点の強化が目的
この売却とパートナーシップの主な目的は、変化の激しい家電市場における競争力の維持です。メーカーとして製品を供給してきた日立と、消費者のニーズを直接把握するノジマが連携することで、製品企画から販売、修理メンテナンスまでを一貫して管理する体制を構築します。特に、インターネット通販の台頭や海外メーカーとの価格競争が激化する中で、リアル店舗を持つノジマの接客力と、日立の製品力を組み合わせ、収益性を改善させる狙いがあります。
デジタル技術によるライフソリューションの転換
日立は今後、IoTやAIを活用した高度なサービス事業へ経営資源を集中させるとしています。単なる「モノ」の販売にとどまらず、家電から得られるデータを活用して家事の負担を軽減するサービスや、エネルギー効率を最適化するソリューションの開発を新会社を通じて模索します。長年続いてきたメーカー主導の販売モデルから、顧客データに基づいたサービス主導のモデルへと転換を図ることで、家電事業の再成長を目指す方針です。
出典:https://www.hitachi.com/ja-jp/press/articles/2026/04/0421b/