東京科学大学は2026年3月19日、水素や二酸化炭素(CO2)、合成燃料(e-fuel)といった環境価値の取引において、高い信頼性と透明性を確保する「ハイブリッドブロックチェーン技術」を世界で初めて開発したと発表しました。
この新技術は、カーボンニュートラルの実現に向けて重要性が増している環境価値の市場取引を支える基盤となります。目に見えないエネルギーや排出削減量の価値を可視化し、改ざんが困難な形で記録することで、グリーンエネルギー市場の健全な発展を後押しするとしています。
パブリックとプライベートを組み合わせたハイブリッド構造の採用
今回開発された技術の最大の特徴は、パブリックブロックチェーンとプライベートブロックチェーンの長所を組み合わせた「ハイブリッド型」である点にあり、広範囲な透明性を確保しつつ、取引の処理速度やプライバシー保護といった実運用上の課題を同時に解決するとしています。
環境価値の取引では、いつ、どこで、どのように生成された価値であるかを示す「トレーサビリティ」が極めて重要です。本技術を用いることで、水素の製造過程やCO2の回収・転換プロセスにおけるデータをリアルタイムかつ高精度に管理し、二重計上などの不正を防ぐ強固なプラットフォームの構築が可能になるということです。
水素・CO2・合成燃料の価値を可視化し市場取引を促進
本技術の適用対象は、次世代エネルギーとして期待される水素や、カーボンリサイクル技術によって生成される合成燃料、さらには回収されたCO2そのものの価値まで多岐にわたります。これまでは評価が難しかったこれらの要素をデジタル資産として適切に定義し、市場での円滑な流通を促します。