東北大学などの研究グループは、2023年12月13日に、少量のデータでも高い処理性能を発揮できる新たなAI技術を発表しました。大規模なクラウドとの通信や膨大な計算資源を必要とせず、電力消費量を抑えながら高度なAI処理を実現できる点が特徴です。
研究グループによると、従来のAIでは大量データの学習や高性能GPUによる計算が必要となり、通信量や消費電力の増大が課題となっていました。今回の技術では、限られたデータでも効率的に特徴を抽出できるアルゴリズムを採用し、エッジ端末側でのAI推論を可能にしたとしています。

消費電力を抑えたエッジAI実装を後押し
今回の技術は、クラウドとの常時接続を前提としないため、大容量通信に伴う電力消費を削減できる点が大きな特徴です。これにより、バッテリー駆動機器や通信環境が限定される現場でもAI活用が進む可能性があります。
特に、インフラ監視や災害対応など、通信インフラが不安定な環境での利用が期待されています。従来はクラウド側で処理していた画像解析や異常検知を端末側で行うことで、通信遅延の低減やリアルタイム性向上にもつながるとみられます。
医療・製造分野への応用に期待
研究グループは、医療機器や製造設備など、計算資源や電力供給に制約がある現場での活用を想定しています。少量データで学習可能なため、データ収集が難しい分野でも導入しやすく、AI活用の裾野拡大につながる可能性があります。
また、生成AIの普及に伴いデータセンターの電力需要増加が課題となる中、処理の一部を端末側へ分散するエッジAIは、省電力化や通信負荷低減の観点からも注目を集めています。
出典:https://www.tohoku.ac.jp/japanese/2023/12/press20231213-02-ai.html