株式会社東急パワーサプライは、2026年3月12日、東京都の支援事業を活用して展開する「てるまるでんちプロジェクト」において、再生可能エネルギーの出力制御に連動した「上げDR(需要創出型の充電制御)」を発表しました。
本取り組みは、2026年3月初旬に東京電力パワーグリッド管内で初めて実施された太陽光発電等の出力制御に合わせて行われたものです。商用ベースで100台を超える家庭用蓄電池を一括して遠隔制御し、出力制御と連動させた事例は東京電力管内で初となります。
131台の蓄電池を同時制御し再エネ余剰電力を吸収
今回の実証では、システム接続を完了した131台の家庭用蓄電池を「群制御(アグリゲーション)」により一斉に充電させました。実施期間中の3日間で、最大充電電力は422kW、累計充電電力量は2,107.5kWhを記録。これは系統用蓄電池約0.2台分に相当する規模であり、分散型エネルギー資源が系統の安定化に寄与できることを証明しました。
通常、太陽光発電の出力が需要を上回る際には発電を停止させる「出力制御」が行われますが、本施策のような「上げDR」によって需要を意図的に創出することで、クリーンな電力を無駄にすることなく有効に活用することが可能となります。
顧客の経済メリットと再エネ社会の両立を実証
このプロジェクトの大きな特徴は、社会全体の電力安定化だけでなく、参加する一般家庭にも直接的な利益をもたらす点にあります。出力制御時間帯に安価な余剰電力を蓄電池へ充電し、夕方以降の電力需要ピーク時に放電させることで、参加者の電気料金を3日間合計で17,674円削減したとしています。
「てるまるでんち」は、東急パワーサプライが蓄電池を無償で設置・貸与し、プロの需給管理担当者が遠隔で最適運用を行うモデルです。利用者は初期費用を抑えながら停電時のレジリエンス(防災力)を高められるとともに、日常的な電気代の節約と再エネ普及への貢献を同時に実現できる仕組みとなっています。
2050年「ゼロエミッション東京」に向けた分散型電源の活用
東京都は「家庭における蓄電池導入促進事業」などを通じて、家庭用エネルギー自給率の向上とアグリゲーションビジネスの社会実装を強力に後押ししています。東急パワーサプライは東京都と連携を深め、設置台数のさらなる拡大を目指す考えです。
今後は、蓄電池の台数増加によりさらに大規模な需給調整能力を確保し、需給ひっ迫時には放電(下げDR)を行うなど、より高度な電力ネットワークの構築に貢献していくとしています。分散型蓄電池を中核とした新たなエネルギーインフラの形を提示し、持続可能なスマート社会の実現を牽引する意向です。
出典:https://www.tokyu-ps.co.jp/home/denkigas/information/2026/03121400/