東洋紡株式会社は令和8年4月14日、100%植物資源を原料としながら、従来の石油由来フィルムを凌駕する性能を持つポリエチレンフラノエート(PEF)フィルムを開発したと発表しました。
この新開発のフィルムは、バイオマスの活用により環境負荷を低減するだけでなく、機能面でも極めて高いスペックを実現しています。同社は2026年6月より、電子デバイス業界などの工業用途に向けてサンプルの提供を開始し、実用化に向けた評価を進める計画です。
石油由来PETを超える剛性とガスバリア性能の両立
今回開発されたPEFフィルムは、一般的なポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムと比較して、高い剛性と優れたガスバリア性を備えている点が最大の特徴です。植物由来でありながら、酸素や水蒸気の透過を抑える能力がPETよりも大幅に向上しており、内容物の劣化を防ぐ保護性能に長けています。
また、フィルムの腰の強さを示す剛性が高いことから、部材の薄肉化にも寄与します。これにより、製品の軽量化や資源使用量の削減が可能となり、環境性能と産業上の機能性を高い次元で両立させた次世代の素材として期待されています。
電子デバイス等の工業用途における信頼性向上への寄与
PEFフィルムの優れた物理的特性は、特に精密な制御が求められる電子デバイス分野での活用に適しています。高いバリア性能が内部部品を外気から保護し、製品の長期的な信頼性を担保するほか、フィルム自体の高性能化がデバイス全体の薄型化や高機能化を後押しします。
東洋紡はこれまで培ってきたフィルム成形技術を駆使し、100%バイオベースの原料を用いた量産化プロセスの検討も進めています。本素材の普及は、プラスチック資源の循環を促進し、持続可能な社会の実現に向けた有力なソリューションの一つとなる見通しです。
6月のサンプル供給開始と今後の展開
同社は令和8年6月から具体的な用途開発に向けたサンプル供給を開始し、市場のニーズを汲み取りながら用途の拡大を図ります。工業用途以外にも、その特性を活かせる幅広い分野での展開を視野に入れており、カーボンニュートラルへの貢献を加速させる方針です。
出典:https://www.toyobo.co.jp/system/files/News_Release/202604/press_20260414_J1.pdf