株式会社Linkholaは、2026年3月、同社が運営するボランタリークレジットプラットフォーム「EARTHSTORYクレジット制度」において、AI空調省エネを対象とした新たな方法論を策定し、本格的な運用を開始しました。民間建物のAI空調制御に特化したクレジット方法論の策定は、国内のボランタリークレジット制度として初の事例となります。
本プロジェクトは、LIXILおよびクールインテリジェンスが共同で実施する実証事業から得られた知見を基に、専門家による審議を経て構築されました。従来のJ-クレジット制度などの公的枠組みでは、AIを用いた空調最適化による削減効果が十分に評価されてこなかったという「制度の空白地帯」を埋める、極めて先進的な取り組みです。
「エネルギー高騰」と「脱炭素」の二重課題を解決
現在、世界的な地政学的リスクを背景に燃料・電力価格の高止まりが続いており、業務用の電力消費の3割から4割を占めるとされる空調コストは、企業の経営を圧迫する大きな要因となっています。本方法論は、AIを活用して空調効率を最大化させることで、このコスト削減と脱炭素化という二つの喫緊の課題を同時に解決することを目指しています。
AIによる空調制御は、既存の設備を活かしたまま電力消費量を削減できるため、大規模な設備更新が困難な中小規模のビルや既存施設においても実効性が高いのが特徴です。Linkholaは、この科学的に算定されたCO2削減量をクレジット化し、企業の環境投資に対する収益化の道を開くことで、省エネ技術の導入を強力に後押しするとしています。
省エネクレジットによる火力発電依存の低減
昨今のカーボンクレジット市場では、再エネ由来のクレジットが注目を集める一方で、省エネ由来のクレジットは算定や証明の煩雑さから普及が遅れていました。しかし、省エネを通じて直接的に電力需要を抑えることは、調整力として稼働する火力発電所の燃料消費を物理的に減らすことに直結します。
省エネクレジットの価値が再認識され、取引が活発化することは、発電部門の脱炭素化を促す大きなムーブメントへと繋がります。Linkholaの取り組みは、これまで評価されにくかった「AIによる効率化」に市場価値を与えることで、日本のエネルギーセキュリティ向上と火力発電依存からの脱却を加速させる重要なスキームとして期待されています。
出典:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000043.000068026.html