自民党の小林鷹之議員は、Xにて米アンソロピック社が開発した最新の高度自律型AIモデル「Claude Mythos」がもたらす安全保障上のリスクに対応するため、党内で合同会議を開催することを発表しました。その後実際に会議が開催された模様です。

この新世代AIは、ソフトウェアの脆弱性を極めて短時間で特定する卓越した能力を有しており、サイバー攻撃に悪用された場合、金融やエネルギー供給などの重要インフラに壊滅的な打撃を与える懸念が急浮上しています。
AIによる「攻撃の自動化」と米国の防衛枠組み「Project Glasswing」
「Claude Mythos」は、従来の生成AIを遥かに凌駕する自律性を備えています。高度なコード解析能力により、人間が数週間かけるような脆弱性診断を数分で完了させる一方、それがサイバー攻撃の武器として転用されるリスクが専門家の間で指摘されています。特に、未知の脆弱性を突く「ゼロデイ攻撃」をAIが自動生成する可能性は、既存の防御システムにとって最大の脅威となります。
これに対し、開発元を抱える米国では、政府と民間企業が連携して「Project Glasswing」と呼ばれる新たな防御枠組みを迅速に構築しました。このプロジェクトは、高度なAIモデルの出力制限や、攻撃への悪用を未然に防ぐための監視体制を国際的な基準として整えることを目的としています。米国企業が主導するAI開発の裏側で、そのリスク管理もまた米国の主導下で進展しているのが現状です。
国家間の「AI格差」が招く安全保障上の不均衡とリスク
問題の本質は、AIの技術力がそのまま国家の安全保障能力に直結する「AI格差」にあります。アンソロピックのような世界最高峰のAI企業は米国に集中しており、他国は技術的な主権を維持することが困難な状況にあります。日本を含む諸国にとって、自国で制御しきれない高度AIがサイバー兵器化するリスクは、個別企業のセキュリティ対策を超えた、国家の存立に関わる脅威です。
自律型AIによる攻撃が開始された場合、従来の人間による検知・復旧では対応が追いつかない「スピードの壁」が存在します。金融システムや電力網といった社会基盤が標的となれば、国家機能が瞬時に麻痺する事態も想定されるため、同盟国間での足並みを揃えた規制と防御策の策定が急務となっているとしています。
自民党が合同会議を設置、日本版「ガードレール」の構築へ
こうした緊迫した国際情勢を受け、自民党は平将明国家サイバー戦略本部長と連携し、速やかに党内での合同会議を招集しました。小林鷹之議員は、平氏からの情報共有を受けた際「これはまずい」と直感的な危機感を表明。米国の「Project Glasswing」に倣い、日本としても独自の対応策の策定や政府への強力な注意喚起を行う必要があると判断したものです。
今後、自民党は専門家を交えた議論を加速させ、近く党としての提言をとりまとめる予定です。技術革新を阻害することなく、いかにして高度自律型AIの悪用を防ぎ、国民の生活を守る「ガードレール」を敷くのか。法整備や国際連携を含め、日本のサイバー安全保障戦略を抜本的に再定義する議論が本格化しています。