Cleanview Power Strategiesは2026年2月4日、米国のデータセンターにおける電力確保の実態を調査した最新レポートを発表しました。この報告書では、AI需要の急増に伴う送電網(グリッド)の接続遅延を回避するため、データセンター開発者が自前で発電所を建設する「ビハインド・ザ・メーター(BTM)」方式を採用している現状が指摘されています。その中で、主要なエネルギー源として天然ガスが大きな役割を果たしている実態を分析しています。
56GWに及ぶ計画の約3割が送電網をバイパスか
レポートが分析した46件のBTMデータセンタープロジェクトは、合計で56GW(ギガワット)に達しており、これは米国で計画されている全データセンター容量の約30%に相当すると推計されています。電力インフラの整備が追いつかず、送電網への接続に大幅な遅延が生じている現状を背景に、開発者は電力会社からの供給を待つのではなく、敷地内に独自の発電設備を構築する動きを強めていると分析されています。
短期ソリューションの多くを天然ガスが占める現状
同レポートによれば、特定された発電設備の約75%にあたる23GWが、天然ガスを燃料とする機器であるとされています。開発者が環境効率以上に「稼働までのスピード」を重視している可能性が示唆されており、航空機エンジンを転用したエアロデリバティブ・タービンやレシプロエンジン、中古の再生ユニット、さらには移動式発電機やクルーズ船用のエンジンの転用までもが、早期稼働に向けた選択肢となっていると報告されています。
莫大な収益性が「ガス活用」を後押しするとの分析
この天然ガス利用の背景には、AIデータセンターがもたらす高い収益性があると同レポートは推察しています。AIデータセンターは、1MW(メガワット)あたり年間1,000万ドル〜1,200万ドルの収益を生む可能性があると試算されており、1GW(ギガワット)換算では年間100億ドル〜120億ドルに達するとされています。こうした経済的なインセンティブが、効率よりもスピードを優先したエネルギー調達戦略を加速させているとの見解が示されています。