経済産業省は、大規模災害や急激な需要増加による電力不足を防ぐための枠組みである「予備電源制度」に基づき、第2回募集の結果を発表しました。
予備電源制度は、本来であれば廃止や休止が見込まれる電源を、緊急時の供給力として維持・確保するための制度です。今回の第2回募集(2026年度・2027年度制度適用開始向け)の結果は2026年3月10日に電力広域的運営推進機関(広域機関)から公表され、西エリアにおいて計136万kWを超える供給力が確保されました。
西エリアでJERAと関西電力の2電源を採択
募集の結果、東エリアでの応札は無かったものの、西エリアでは2事業者の提案が落札されました。具体的には、株式会社JERAの「知多第二発電所2号機(約82万kW)」、および関西電力株式会社の「御坊発電所3号機(約54万kW)」の2電源が維持運用者として決定しています。
落札されたこれらの電源は、今後12〜36ヶ月にわたって休止状態が維持されます。実際の電力不足時には、別途公募などの立ち上げプロセスを経て再稼働が行われる仕組みとなっており、今回の落札単価評価においては目安価格である14,399円/kWを下回る水準での応札がなされたとしています。
供給力不足を防ぐ「休止電源の維持」と総合評価
本制度の対象となるのは、容量市場で安定電源に区分される10万kW以上の火力電源です。容量市場での不落札や経済的理由による差し替えを背景とした電源を対象に、短期(3ヶ月程度)または長期(1年程度)での立ち上げが可能な休止状態の維持を求めています。
選定にあたっては、応札価格だけでなく、立ち上げに要する期間や信頼性、供給への貢献度などを加味した「総合評価方式」が採用されました。制度適用期間中、事業者は休止状態を継続する義務(リクワイアメント)を負い、緊急時の立ち上げ公募へ応札することが求められます。
14,399円/kWを目安に緊急時のレジリエンスを強化
予備電源として決定された電源に対しては、休止措置および休止状態の維持に係る費用が支払われます。なお、実際に稼働させる際の費用(立ち上げ・稼働費)については、将来発生する具体的な立ち上げプロセスの中で別途負担される形となっています。
老朽火力発電所の廃止が進む中、予備電源制度は電力需給の「最後の砦」としての機能を担います。政府は、14,399円/kWという目安価格を提示しつつ、コスト効率と供給信頼性のバランスを取りながら、日本の電力網のレジリエンスを強化していく方針としています。
出典:https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/denryoku_gas/jisedai_kiban/system_review/pdf/113_06_02.pdf