英国政府は、EV充電インフラとガソリン供給設備の規模比較に関する分析を、2025年時点のデータとして発表した。これによると、公共のEV充電ポイントは全国で11万8,000口超に達し、ガソリンスタンドに設置された燃料ポンプ約6万800基を上回る規模となっている。

この比較は、EVについては「充電ポイント(コネクタ数)」、ガソリンについては「ポンプノズル数」という、同一の“供給口”単位で整理されている点が特徴です。英国では近年、EV普及とともに家庭外で利用可能な充電設備の整備が進み、数量面では既に従来型燃料供給インフラを超えたと認識されつつあります。一方で、利用者の体感としては依然として充電の利便性に課題が残るとの指摘もあり、認知と実態のギャップが存在するとされています。
日本の状況、比較指標の不一致が実態把握を困難に
日本では、ガソリンスタンド数は約2万7,000カ所(経済産業省関連統計)で推移しています。一方、EV充電インフラについては、約1万8,000カ所の充電拠点に対し、設置されている充電口数は3万〜4万口規模とされ、指標の取り方によって評価が大きく変わります。
英国のように「供給口同士」で比較すれば一定の拮抗関係にあると見ることも可能ですが、日本では統計上、施設数と口数が混在して扱われることが多く、単純な国際比較は困難です。また、急速充電器と普通充電器の比率、出力(kW)、設置場所の偏在なども考慮する必要があり、数量だけでは実効的な供給能力を評価できません。
数量偏重からの転換、稼働率と利便性の評価が鍵
EV充電インフラの整備においては、単純な設置数の拡大だけでは不十分です。例えば、低出力の普通充電器が多数設置されても、短時間での充電需要には対応できず、実質的な利便性は限定的となります。また、設置済み設備の稼働率や利用時間帯の偏りも、インフラ評価における重要な要素です。
こうした観点から、今後は「口数」や「施設数」に加え、出力水準、稼働率、アクセス性といった複数の指標を組み合わせた総合的な評価が求められます。政府や関係機関も、単なる量的拡大ではなく、需要に即した配置と高効率な運用を重視する方向にあるとしています。EV普及を支えるインフラ整備は、数の議論から質の議論へと移行しつつあります。
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