イギリス政府は2026年1月14日、エネルギー安全保障・ネットゼロ省が所管する再生可能エネルギー支援制度「Contracts for Difference(CfD)」の第7回オークション(AR7)の結果を公表し、合計8.4GWの洋上風力発電容量を確保したと発表しました。これは単一のオークションとしては、欧州で過去最大規模となります。
今回のオークションでは、8つの新規洋上風力発電プロジェクトが採択され、2030年までに約1,200万世帯分に相当する電力供給能力を確保したとされています。
イギリス政府は2030年までに洋上風力を43〜50GW確保する目標を掲げており、その達成に向けては今後も毎年8GW規模以上の調達を継続する必要があり、AR7は、その長期目標に向けた中核的な調達ラウンドと位置付けられています。
固定式洋上風力発電所の落札価格は、スコットランド案件が1MWhあたり89.49ポンド(1kWhあたり約19.0円)、イングランドおよびウェールズ案件が91.20ポンド(1kWhあたり約19.3円)となっています。
一方、2件の浮体式洋上風力発電所は、落札価格が216.49ポンド(1kWhあたり約45.9円)となりました
イギリス政府は同時に、新設ガス火力発電所の建設・運転コストについてもLCOEベースで公表しており、その水準は147ポンド(1kWhあたり約31円)とされていて、政府は約40%のコスト差があると評価しています。
落札容量の大半はドイツの電力大手RWEによるもので、総容量8.4GWのうち約7GWを獲得しました。同社は、Dogger Bank SouthやNorfolk Vanguard EastおよびWest、Awel y Môrといった大規模案件を含む複数プロジェクトでCfDを確保しており、イギリスの洋上風力市場における主要事業者としての存在感を一段と強めています。
一方、SSEは北海に計画されているBerwick Bankプロジェクトの一部である1.4GWについてCfDを獲得しました。Berwick Bankは完成すれば世界最大級の洋上風力発電所となる計画であり、スコットランドにおける洋上風力開発の象徴的な案件と位置付けられています。
日本でも、長崎県五島市で、浮体式洋上風力発電所が運転を開始しています。今回のイギリスの落札価格水準は、今後の風力案件で、重要な国際的ベンチマークになると考えられます。