農林水産省は、2026年4月、有識者会議「望ましい営農型太陽光発電に関する検討会」において、制度見直しの方向性を発表しました 。今回の見直しは、令和7年12月に閣議決定された「大規模太陽光発電事業に関する対策パッケージ」に基づき、農業との両立が図られる「望ましい取組」を明確化し、不適切な事案に対して厳格に対応することを目的としています 。

これまでは「農地法」のみで判断されてきましたが、新たな制度では「農山漁村再エネ法」に基づく基本方針に国としての考え方を明記します 。地方公共団体がこの方針に沿って適否を判断できるよう関連制度を改正し、営農型太陽光発電の適正化を図るとしています 。
具体的には、農地の一時転用許可の条件として、再エネ法に基づく「設備整備計画」の認定を受けることを位置づけます 。これにより、単なる売電目的ではない、地域と共生した事業の導入を促進する仕組みとなります 。
「望ましい営農型太陽光発電」の具体的要件
本検討会では、営農型太陽光発電のあるべき姿として、具体的な形状や形態の基準が示されました。まず、下部農地における農作物の収穫量(単収)について、同一市町村内の平均的な単収と比較しておおむね2割以上減少するおそれがないことが大前提とされています 。
設備面では、遮光率を原則として「30%未満」に抑える必要があります 。また、トラクターなどの農業機械の作業に支障をきたさないよう、最低地上高を概ね3メートル以上、支柱の間隔を概ね4メートル以上確保することが求められます 。
営農者については、地域の10年後の農業を担う者として「地域計画」に位置づけられていることが条件となります 。加えて、栽培品目において年間50万円以上の生産・販売実績を有していることなど、業としての持続性が確保されているかどうかが厳格に確認されます 。品目は原則として毎年収穫可能なものとし、市場価値が認められないものを発電事業者が買い取るような不適切なケースは排除される方針です 。
市町村特例の導入と既存事業者への監視強化
今回の見直しの大きな特徴は、地域の実情に応じた「市町村特例」の創設です。科学的根拠に基づき基本理念の着実な実現が確保される場合には、国や都道府県の助言に基づき、市町村が農業経営の特色や多様性に応じて特例的な対応を定めることができるようになります 。これにより、画一的な基準では対応できなかった地域独自の優良な取り組みを支援します。
一方で、既存の事業者に対する監視体制も大幅に拡充されます。不適切事案の取り締まりを強化するため、国が都道府県と一体となって行う現地調査の対象面積を、従来の4ヘクタール超から2ヘクタール超へと引き下げます 。
また、毎年度提出される栽培実績報告に加え、衛星データも活用して不適切な案件を捕捉する仕組みを導入します 。是正指導や勧告に従わず、改善が見られない場合には、再許可申請を不許可とする運用方針を明確化しています 。一時転用許可の期間を短縮することで、チェックの頻度を高める措置も盛り込まれました 。
出典:https://www.maff.go.jp/j/study/attach/pdf/250609-26.pdf